Yahoo!ニュース

Googleが検索に導入する「フィーチャードスニペット」とは?

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
検索に最適な知識を優先して表示する(Googleブログより)

Google検索はもはや我々の日常となっており、何か分からないことがあればGoogleを開くまでもなく、ウェブブラウザのアドレスバーにキーワードを打ち込んでGoogleに頼る習慣ができました。

例えば昨晩の皆既月食なら、「なぜ起きるのか?」「日本でいつ見られるのか」といった情報を得るとき、取りあえず身近にあるスマホでGoogle検索します。

昔からGoogleを使っている人は気を使って「月食 日本 時間」とキーワードで区切って検索するかもしれませんが、「月食は日本でいつ見られる?」と質問文で検索しても、同じ結果を表示してくれるようになりました。音声を使って自然な質問でもGoogle検索が有効であることが分かります。

そんなGoogle検索に時折表示されるようになるのが「フィーチャードスニペット」です。現在日本語検索では、関連する最新ニュースが表示されたり、パソコンの場合右側にWikipediaなどの情報が表示されますが、これをより積極的に進化させよう、という流れになります。

A reintroduction to Google’s featured snippets

フィーチャードスニペットでは、正確な知識を表示するパターンの他に、例えばケータイの留守番電話設定方法や、料理のレシピなどを、これまでの検索結果のリストより先に表示する仕組みです。ケータイの場合、契約している会社によって操作方法が異なるため、スニペットの中身を自分のケータイ会社に切り替える機能も用意されています。

この機能を導入する目的は、ユーザーが検索の際に、より素早く、正確で有効な知識にたどり着けるようにすること。特にモバイルや音声検索といったパソコン以外のデバイスでの利用が伸びている場面で、広い画面でアクセスできない環境を意識した想定になっています。

Googleの知識グラフを活用した技術ですが、ユーザーからのフィードバックも簡単に受け付ける仕組みを用意しており、今後も進化を続けていくことになりそうです。

フェイクニュースが問題になっている昨今、Googleのフィーチャードスニペットも、できる限り正しい情報や知識であり続けるよう調整が進められていくでしょう。一方で、いかにGoogle検索に正しい最新の情報を与えるか、という「競争」も巻き起こっていくかもしれません。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

松村太郎の「情報通信文化論」

税込330円/月初月無料投稿頻度:月4回程度(不定期)

米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

松村太郎の最近の記事