0対0の9回に3投手が5失点。ソフトバンクはきょうにも胴上げ?《9/18 阪神ファーム》
鳴尾浜での公式戦は、きょう19日が今季最後となりました。あす20日のソフトバンク戦が滋賀県守山市での開催で、そのあとはビジターのオリックス3連戦で今季の公式戦日程を終える阪神ファーム。もちろん鳴尾浜で社会人との交流試合や、オリックスとの練習試合はまだありますので、見学可能ですよ。でも本拠地の公式戦が最後ということで、試合終了時には全員整列しての挨拶が行われます。
しかし、きのうソフトバンクが勝って、広島は中日に負けたため、ソフトバンクの優勝へのマジックナンバーは2つ減って1。つまり結果次第では、きょう阪神の整列前にソフトバンクの胴上げがあるかもしれません。思うに1軍と同じく地元に帰ってからの方が盛り上がるでしょうし、21日のヤフオクドームでの試合なんて最適じゃないですかね。ここは阪神の踏ん張りどころですよ!
と言いたいところですが、阪神はここへきてソフトバンクに6連敗中です。1ヶ月前は8勝6敗1分けと勝ち越していたのに…。きのうも秋山投手が6回3安打無失点で、8回まで0対0の投手戦でした。しかし9回に玉置投手が先頭の江川選手に16号ソロ、そこから小嶋投手、桑原投手とつないで計5失点。打線は5安打のみで完封負けを喫しています。
《ウエスタン公式戦》9月18日
阪神-ソフトバンク 21回戦 (鳴尾浜)
ソフ 000 000 005 = 5
阪神 000 000 000 = 0
◆バッテリー
【阪神】秋山-石崎-松田-●玉置(3勝3敗6S)-小嶋-桑原 / 小豆畑
【ソフ】帆足(2回)-山田(5回)-○島袋(1勝1S)(2回) / 拓也
◆本塁打 江川16号ソロ(玉置)
◆二塁打 拓也
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]指:西岡 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0)1.000
〃打指:原口 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .226
2]二:北條 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .248
3]中:江越 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .322
4]左:ペレス (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .315
5]三:陽川 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .212
6]一:黒瀬 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .195
7]右:一二三 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .202
〃右:横田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .213
8]捕:小豆畑 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .218
9]遊:植田 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .197
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
秋山 6回 76球 (3-5-1 / 0-0 / 3.03) 142
石崎 1回 13球 (0-1-0 / 0-0 / 3.88) 150
松田 1回 21球 (2-1-1 / 0-0 / 4.26) 150
玉置 0.2回 9球 (2-1-0 / 2-2 / 3.97) 141
小嶋 0.0回 17球 (1-0-2 / 3-3 / 4.50) 140
桑原 0.1回 15球 (1-0-2 / 0-0 / 2.70) 147
試合経過
秋山投手は1回、2死から上林に右前打され盗塁を許しますが無死点。2回と3回は三者凡退で、4回は2死からカニザレスに四球を与えたものの江川は142キロの真っすぐで見逃し三振!5回も2死から拓也に右越え二塁打(一二三が捕ったようにも見えたんですけど)、しかし曽根を空振り三振。6回もまた2死から上林に右前打と盗塁を許しながら、カニザレスを中飛に仕留めて無失点です。
7回は石崎が登板して三者凡退!8回の松田は曽根の中前打と牧原の内野安打(セカンド北條がよく捕ってショート植田打へ送るもセーフ)、金子圭への四球で1死満塁としますが、後続をしっかり断って無失点でした。
打線は1回に先頭の西岡が中前打するも2死から盗塁失敗、2回は三者凡退、3回は1死から小豆畑が四球を選んだものの植田が二ゴロ併殺打。ここまで3人づつで片づけられます。4回は代打・原口が右前打し、北條の犠打でようやく二塁に走者を進めますが、後続を断たれて得点なし。5回は黒瀬と一二三の連打で1死一、三塁と、あとで思えば唯一のチャンスでしたが、小豆畑は遊ゴロ併殺打。6回、7回、8回は三者凡退です。
0対0のまま迎えた9回、まず玉置が先頭の江川に初球をレフトへ…第16号ホームランを浴びました。1死後に猪本の中前打と代走・真砂の盗塁を許し、拓也から三振を奪ったところで交代。2死二塁で登板した小嶋は曽根にストレートの四球を与え、牧原に左前タイムリーで2点目。続く金子圭へ四球を与え2死満塁で降板。代わった桑原が上林に右前タイムリーを浴びて2人を還し、カニザレスへの死球で再び満塁として江川に四球で押し出し。
打者11人に4安打4四死球で5点を失った、その裏。打線は先頭の植田が島袋の143キロ真っすぐを右前打!復帰初安打で出ると、続く原口は四球を選んで無死一、二塁としましたが…北條の左直のあと、江越とペレスは連続三振を喫して試合終了。ソフトバンクの島袋がプロ初勝利となっています。
きっちり借りを返した秋山
前日(17日の広島戦)の予定が雨で流れ、スライド先発した秋山投手。上林選手に2安打と盗塁2つ、5回の拓也選手に二塁打を許しただけで、他の走者はカニザレス選手への四球のみ。6回3安打無失点、球数も76球で、三塁を踏ませぬ好投でした。「前回、ヤフオクでやられているってのもあったんで、まずはやり返すつもりでマウンドに上がった」と、ヤフオクドームでのソフトバンク戦に先発し、3回6安打3失点で5敗目を喫した4日のリベンジを果たしています。
「それと、先頭打者を全部切った。いいリズムで投げていけました。ちょっと、この2週間くらいブルペンでしっくり来ていなかったので、バランスを意識していたんです。それが入り(はいり)でうまくいったので、以降はバランスも気にせずテンポよく投げられたと思います」と、この日のピッチングを振り返りました。
課題は?「左打者に外の真っすぐでファウルを取れないとか、ちょっと甘くなって長打を打たれることがある。いろんな球種で左の外の使い方を意識してやっています」。5三振のうち3つは真っすぐでしたが、5回の曽根選手と6回の金子圭選手から奪った三振は?「フォークです。フォークは、落とすというより腕をしっかり振ることを重点に、辛抱強く投げるように」
次は1軍で、しかも優勝争いの中での登板になる可能性がありますね。「時期が時期なので、もしチャンスをもらえたら。そこまでの準備を怠らないようにやっていきたい。いつも通りってのは難しいでしょうけど、いい状態で、いろいろ感じて投げたい」。プレッシャーは?「1年目に、負けたら優勝がなくなるっていう試合でノックアウト食らってるんで、同じことは繰り返さないように。自分のやれることをやってマウンドに上がります」。24日の中日戦(ナゴヤドーム)での先発になりそうですね。秋山投手の、持てるすべてを出してきてください。
石崎「たまたまで終わらせないように」
石崎投手は、15日の広島戦(鳴尾浜)でも2イニングを投げ4奪三振のパーフェクトピッチングでした。きのう18日は1イニングながら三者凡退。ところが「いや~たまたまです。思ったところに投げられなかったので。変化球が全然ダメですね」と不満そうな表情。でも真っすぐは15日に152キロが出ていたし、この日も150キロが3球ありました。「真っすぐの走りは以前より確実によくなっています。タイミングも合ってきて、思いきり投げての150キロでなく、8割くらいで150キロが出るようになってきた」
以前、左足を上げてから屈んでしまっていたのが今はなくなった?「そこ、意識しています。直せてよかった。それで最近はずっと150キロが出ているから合っているんでしょうね。その感覚がいいのかなと。きょうはあまり調子がよくなかったので全力で投げましたが、この間なんかカウントを取りにいくのにピュッと投げて150キロ出たし」。他にもテイクバックも意識した結果、腕の出どころが少し上になったことも奏功しているようです。
「きょうは変化球がバラバラで抑えられたのはたまたま。でも、たまたまで終わらせるのでなく、突き詰めて次に生かしたい」と石崎投手。このところ中継ぎ陣が打たれる試合も多いので、よろしくお願いしますと言ったら「救世主になれるように頑張ります」と笑顔でした。
150キロといえば、松田投手もこの日、2球ほどで出ています。今季最速ではありませんが「鳴尾浜ではことし初めて」だそうです。
疲れたけど、ヒットに笑顔の植田
15日の広島戦で公式戦復帰を果たした植田選手。その時は8回の守備からで、打球は飛んで来ず、打席は9回に初球で決めた犠打のみでした。これが北條選手のサヨナラ犠飛につながったわけで、グッジョブですね。そして18日はフル出場!9番と、ショートの位置に植田選手を見るのが久しぶりで、北條選手のセカンドも合わせて少し懐かしいなあという気分になりました。
9回にヒットが出て「よかったですねえ!ホッとしました」とニコニコ。久々に9回フルで出たことには「終わったら、ドッと疲れました。0対0だったし、緊張感があったので試合中はわからなかったんですけど。終わったら…」と苦笑いです。そりゃそうでしょうねえ。足とかに来ていない?「来ています。このへんに」と両太ももをさすっていました。
4度の守備機会も、さすが無難にこなしていて「最初に飛んできて、ちょっと楽になった」そうです。1回の先頭・牧原選手がいきなり遊ゴロでしたもんね。若い植田選手のことですから、きょうはもう元気いっぱいのはず。
西岡、4ヶ月ぶりに実戦復帰
1番DHで先発出場した西岡選手は、1回の打席で2球目を打ってセンター前ヒット。2死から盗塁を仕掛けてタッチアウトになり、そこでもう引き揚げました。試合中に囲み取材が行われたため、教えてもらったコメントをご紹介します。まず4ヶ月ぶりの復帰に「右打席はもうちょっと先と考えていたんですけど、きのう(復帰予定だった17日の広島戦)が雨で流れたので、そんなにゆっくりしている暇はないと思うし、僕自身できる限りは1軍に上がることを目標にやりたいなと」と話しています。
2球目を打ったことは「早く1軍に上がるには、ファーストストライクを強く振れなかったらゴーサインはまだ出ないだろうなと自分自身で思っていましたし、ファーストストライクというのをすごい意識して、4カ月ぶりですけど集中して、たまたまそれに結果が出たので。4カ月ぶりにしては、現状にしては非常に満足しています」とのこと。
右打席での出場でした。「そこまで、打撃練習で振ることへの不安というのは取り除いてきたつもりですし、ただ練習と試合という(違い)。練習では来る球は分かっています。でも試合では不規則に変化球が来たり、腕の使い方とか上手くいかなかったりして、そういう時に痛みが出たらどうしようとか…そういう不安はありましたけど。とにかくファーストストライクから振れたということでいい打席だったなと思います」
右打席の状態は「打つことに関して恐怖心というのは、この1打席でなくなったかなと。左打席に関してはまだ打席に立ってないですけど、そっちのほうがもっと不安なく練習できてますんで。早く試合勘を僕の中で取り戻したいですし、1軍の試合もそんな多く残っていないので、中途半端な形で上がって結果が残せなかったらチームにマイナスですから。そういう風にならないように最善を尽くしたいと思います」と、はやる気持ちを抑えていました。
今後の見通しは?「幸先はいいというか、不安や恐怖心ありましたけど1本出るというのは、野球選手として救われるところもありますから、今シーズン短いかも分からないですけど、残りでも貢献出来るように頑張りたい」。また盗塁に関しても「全部が試合勘。試合ではそういうことも起きますから。アウトになろうがなるまいが。今日1日はいい試合内容だったなと思う」と言っています。
最後に、この4カ月は長かったかと聞かれ「ケガすると誰もが苦しいですし、僕は野球の神様がいてると思っているんで、最後にご褒美くれるようにと思って、この期間すごしてきました。楽しみにしながらというか、早くタイガースに貢献したいなと思います」と答えた西岡選手。「監督もおっしゃっていましたけど、もうゆっくりしている暇はないと思うんで。心と体の動きが一致すれば。気持ちはもう十分に充電出来てますから。早く一致させて1軍から呼ばれるようにしたい」