中年男子よ立ち上がれ!風疹の流行を終わらせるのはオレたちだッ!
2018年から始まった風疹の流行がなお続いています。2019年はすでに2000人を超える風疹患者が報告されており、ここ数週で報告数は減っているものの、まだまだ終息しそうにありません。
風疹は風疹ウイルスによる感染症で、発熱、発疹、喉の痛み、咳などの症状が出る疾患です。
眼の充血や首の後ろのリンパ節が腫れるのも特徴です。
先天性風疹症候群とは
風疹の流行で最も懸念されるのが先天性風疹症候群です。妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児も風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れ等の症状をもった赤ちゃんがうまれることがあり、これらの病気を先天性風疹症候群といいます。
今から6年前、2013年に日本は風疹の大流行に見舞われました。このときの大流行では、関東を中心に14000人を超える感染者が出ただけでなく、その結果45名もの先天性風疹症候群が報告されました。2019年もすでに3人が先天性風疹症候群と診断されています。
風疹の流行を阻止する最大の目的はこの先天性風疹症候群をできる限り減らすためです。
「あー、妊婦さんが気をつければいいのか・・・じゃあオレは関係ないか。そもそも風疹って子どもの病気だしね」と思ったそこの中年男子!
鼻をホジホジしている場合ではありません!
風疹はもはや子どもの病気ではありません。むしろ我々中年男子の病気なのです!
流行の中心は中年男子
この図をご覧ください。
横軸が年齢、縦軸が感染者数です。その下に定期接種としての風疹ワクチン接種状況です。
感染者2200人のうち、男性が感染者の8割を占めていますが、20代〜50代が多く、その中でも40歳から50代前半までが抜きん出て多いことがお分かりいただけるかと思います。
この昭和37(1962)年から昭和54(1979)年に生まれた40〜57歳の世代は、女性が風疹ワクチンを打っているのに男性は打っていない世代なのです。
風疹は海外から持ち込まれ、職場で流行して広がる
風疹ウイルスの株を調べてみると、流行している風疹ウイルスの株はときどき入れ替わっています。
これは海外から風疹ウイルスが持ち込まれていることを意味します。
では風疹はどこで広がっているのでしょうか?
届け出のあった男性の風疹患者のうち、推定感染源について何らかの記載があった320 人の内、191人が「職場」となっており、このうち31名は職場内で複数名が感染する「職場内流行」と記載されていました。東京都で報告されている集団感染の事例も多くが「企業内」であり、職場で風疹が広がっていることが分かります(風疹流行に関する緊急情報:2019年10月23日現在 国立感染症研究所 感染症疫学センターより)。
つまり、風疹ウイルスは海外から持ち込まれ、職場で広がり、ときに家族内に持ち込まれ、稀には妊婦さんに感染してしまう、という流れが生まれてしまっているのです。
この流行を阻止するためには、職場内での感染を防ぐしかありません。
そのためにはやはり中年男子が風疹ワクチンを打つしかないのです。
風疹の抗体検査、ワクチン接種が無料でできるクーポン券を活用しよう
今回の流行を受けて、厚生労働省は昭和37(1962)年から昭和54(1979)年に生まれた40〜57歳の男性を対象に定期接種を開始しました。
自治体から風疹の抗体検査、ワクチン接種が無料でできるクーポン券が送られているはずです。
私の住んでいる練馬区のホームページを見ると、この世代であっても年齢ごとに配布スケジュールに違いがあるようですが、早くクーポン券がほしい方は問い合わせればもらえるようです。それぞれの自治体にご確認ください。
まずは免疫があるかどうか確認するための抗体検査をして、抗体が低ければワクチン接種になります。麻疹風疹の混合ワクチンも選択できる自治体もありますので、その場合は麻疹風疹混合ワクチンをお勧めします。
10月29日時点での厚生労働省の発表によると、2019年度にクーポン券を発送予定の約646万人のうち、4~8 月にクーポン券を使って抗体検査を受けた人は729,533人(クーポン券発送予定者の約11.3%)ということで、まだ十分に広まっていません。
ぜひ同僚も誘って、クーポンを使い抗体検査をしましょう。
風疹ワクチンを打ってモテ男になろう
かつてカリスマAV男優の加藤鷹氏は「コンドームしない男は挨拶できない男と一緒」という名言を残しました。
そして現代のカリスマAV男優しみけんさんは「風疹ワクチンを打ってる男はいい男。言われなくてもコンドームを付けてくれる男と同じモテ男」という名言を残しました。
風疹ワクチン接種は男のたしなみ、マナーです。
さあ、中年男子諸君、クーポンを持って病院に行きましょう!