「台風2号」と「サイクロン・オーマ」ダブル渦発生中
20日(水)グアムの東の海上で「台風2号」が発生しました。一方で赤道を挟んだ南半球の海域には「サイクロン・オーマ(Oma)」が発生しており、豪州などで被害が出ているもようです。
台風2号発生
日本時間20日(水)未明、グアムの東の海上に今年2つ目の台風が発生しました。国際名は「ウーティップ(Wutip)」で、これは「蝶々」を意味するマカオの言葉です。
台風2号の20日(水)12時時点の中心気圧は994hPa、最大風速は23m/sですが、22日(金)朝までに「強い台風」、さらに23日(土)朝までに「非常に強い台風」へと勢力を強め、週末にはグアムに最接近する見込みです。
2月としては珍しい勢力
今年は史上初めて1月1日に台風1号が発生し、「観測史上最も早い台風」だとか「元旦台風」などと呼ばれ話題となりましたが、いま発生している2号も珍しい台風となりそうです。
気象庁は2号の中心気圧が23日(土)には950hPaまで下がると予想していますが、2月にこの規模の強さに達した台風は多くはありません。
デジタル台風の記録を見てみると、1951年の統計開始以降2月に発生したすべての台風の中で、中心気圧が950hPa以下となったものは3つしかありません。海水温が比較的低い2月の時点で強力な台風が発生することは珍しいのです。
サイクロン・オーマ
一方南半球には、別の雲が渦を巻いているのがわかります。これは今月7日に発生したサイクロン「オーマ(Oma)」で、20日(水)時点での中心気圧は975hPa、最大風速は31m/sとなっています。
サイクロンが接近したニューカレドニアでは、洪水や農作物への深刻な被害、またけが人も出たと伝えられています。
キングタイドで被害
一方で、サイクロンの中心から1,000キロ以上離れたオーストラリア東部でもすでに被害が出ています。
現在は一年のうちでも特に潮位の高い「キングタイド」と呼ばれる現象が起きていますが、このキングタイドとサイクロンの接近が重なったために、ケアンズやブリスベンなどの東部の海岸線で道路や家屋が浸水するなどの被害が出ているのです。
オーストラリアでは潮位の高い状況が続くことに加え、22日(金)から週末にかけては、クイーンズランド州にサイクロンが最接近または上陸する恐れも出ており、警戒が呼びかけられています。