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やるのか?やらないのか? 韓国軍の「独島(竹島)防御訓練」

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
軍事訓練として竹島に上陸した韓国海兵隊(韓国国防部)

 今月24日が期限のGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)を韓国が自動延長するのか、それとも破棄を通告するのかが注目されているが、もう一つの注目点は、日本が「固有の領土」と主張している竹島(独島)で恒例の軍事演習を実施するかどうかだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20190804-00137017/(参考資料:日本とのGSOMIAを破棄すべきか、すべきでないか――苦悩する文在寅大統領)の

 毎年6月に行われている韓国軍と海洋警察による合同の「独島(竹島)防御訓練」が2カ月経っても実施されてない。

 「他国の船舶の領海侵犯」を想定した同訓練は1986年から毎年2回、上半期(6月)と下半期(12月)に分けて実施されているが、昨年は6月18~19日と12月13~14日に行われていた。

 通常ならば今年も6月中に行われる予定だったが、「G20サミット」(6月28日)に出席する文在寅大統領が「元徴用工問題」でこじれた日韓関係修復のため安倍晋三首相との首脳会談を打診していたこともあって先送りしていた。

 しかし、安倍首相が文大統領との会談を拒絶し、7月には韓国への半導体素材の輸出厳格化措置に続き「ホワイト国」からの韓国除外を決定したことから訓練の開始を光復節(8月15日=日本の植民地支配からの解放記念日)前の8月12日(~13日)に設定したが、これまた台風の到来や夏恒例の米韓合同軍事演習(8月4-20日)と時期が重なったことから見送られていた。

 訓練開始時期について韓国国防部の崔賢洙報道官は8月12日の定例会見で「適切な時点で実施する」と答えていたが、3日後の光復節で文大統領が日本に対話と協力を呼び掛けたこともあって8月中の実施も流動的になっている。

 海軍と空軍、それに海兵隊と海洋警察の合同訓練には駆逐艦(3200トン級)、護衛艦、警備艦などの艦艇、F-15K戦闘機、海上作戦ヘリ、P3C哨戒機などが動員されるが、2016年12月の訓練では海兵隊員10数人がUH-60ヘリに乗って竹島に上陸する本番さながらの訓練が実施された。海兵隊の島上陸は2011年末以来の出来事であった。

 昨年12月(12-13日)の訓練では日本の哨戒機(P-1)に火器管制レーダー照射をした駆逐艦「クァンケトテワン艦」など艦船 5~6隻とP3C海上哨戒機及びF-15Kなど航空機4~5機が参加して行われていた。

(参考資料:対応を誤れば交戦に発展! 第2ラウンドに入った「レーダー照射事件」)

 海上訓練に空軍が参加しているのは竹島の上空が事実上、韓国の防空識別圏内に指定されているからだ。竹島上空を含む東西90キロ、南北110~55キロの範囲で、国際航空図に一帯は「MOA」(Military Operation Area)と記されており、韓国が戦闘機の飛行訓練などを実施する空域となっている。

 日本は「我が国固有の領土である竹島に韓国が軍事訓練空域などを設定できない」として韓国政府に指定取り消しを要求してきたが、韓国に無視されたままだ。

 韓国軍の訓練は日本からすれば「竹島の不法占拠」強化が目的であることは自明で、日本政府はその都度、外務省や駐韓日本大使館を通じて抗議してきたが、これまた韓国からは「独島は歴史的にも地理的にも韓国の明白な領土であり、我が軍隊の領土守護の活動は主権の問題である」と一蹴されている。

 訓練を中止するのか、それとも強行するのか、強行した場合、攻撃的なものになるのか、抑制的なものになるのか、公開で行われるのか、非公開となるのか、何一つ明らかにされていないが、韓国政府内には日韓関係修復のため慎重を期すべきとの声とロシアのA50早期警戒管制機軍用機による領空侵犯事件があった直後だけに領土問題では毅然たる姿勢を示すべきとの声が交錯していて文政権は対応に苦慮しているようだ。

 仮に強行となれば、日韓の間では一昨年12月20日に日本の哨戒機への火器管制レーダー照射事件を巡る「紛争」が日本海で起きただけに新たな火種となりそうだ。

(参考資料:韓国は海では日本に勝てない!世界4位の日本に8位の韓国――日韓海軍力比較)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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