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【蓮舫氏と山尾氏】立憲民主党で女の闘いが始まった!

安積明子政治ジャーナリスト
民進党代表だった蓮舫氏は民進党を捨て去った(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

山尾氏に続き、蓮舫氏が入党

 まさか午前に入党した山尾志桜里衆議院議員の後を追ったということではないだろうが、蓮舫参議院議員が12月26日夕方に民進党に離党届を出し、立憲民主党に入党届を提出した。衆院選では希望の党への参加を拒否されたことで誕生した立憲民主党だが、予想以上に健闘して55議席を獲得。支持率も1%台を低迷する民進党や希望の党と違い、10%前後を維持している。

 果たしてこの好調は続くのか。そもそも早期解散総選挙になった一因は、山尾氏のスキャンダルだ。9月に民進党で前原体制が発足し、その幹事長として山尾氏が内定。その夜に倉持麟太郎弁護士との“逢瀬”を週刊文春がキャッチした。これで民進党が失墜すると踏んだ安倍晋三首相は、解散を決意したと言われている。

解散の一因となった山尾スキャンダル

 その山尾氏は9月7日夜、国会内で民進党からの離党を表明している。幹事長だった大島敦氏は党本部にいたが、急遽院内に移動して離党届を受け取った。

「間もなく始まる臨時国会、そして大切な国会論戦、こういった場に今回の混乱を持ち込むことは、私を育ててくれた民進党、そしてご支援いただいた皆様にさらなる御迷惑をおかけすることになると判断をし、本日離党する決断をいたしました」

 当時の山尾氏はこのように述べている。

 そして衆院選では山尾氏は12万8163票を獲得し、自民党の鈴木淳司氏を下した。共産党は候補をたてず、一騎打ちとなった結果だ。ちなみに共産党は2009年の衆院選を除いて独自候補をたて、1万5000票から2万3000票を獲得している。もし共産党が独自候補をたてていたら、勝敗は覆ったのではないか。山尾氏と鈴木氏の票差はわずか834票にすぎない。

 しかしいくら僅差で辛勝しても、勝ちは勝ちだ。山尾氏は世間に挑戦するかのように、ただちに倉持氏を政策顧問に任命。そして政党助成金の支給基準となる1月1日を前に、立憲民主党に入党した。9月には民進党に及びそうだった「迷惑」は、多数の仲間が落選した衆院選で生き残ったことでかき消されたというのだろうか。実際に衆院選の後、民進党の凋落ぶりは著しい。

ライバルの2人

 蓮舫氏もその凋落の原因を作った犯人といえるだろう。そもそも蓮舫氏が7月に民進党の代表を辞任しなければ、前原誠司氏が代表になることもなく、山尾氏が幹事長に内定することもなかった。

 蓮舫氏と山尾氏は犬猿の仲と囁かれていた。岡田克也代表の下で政調会長に抜擢された山尾氏は、蓮舫代表の下では国民運動局長に格下げされた。蓮舫氏が党の中心でいる限り、山尾氏が重用される気配はなかったのだ。

 蓮舫氏が代表を続けていれば、倉持弁護士とのスキャンダルも発覚しなかったに違いない。週刊文春はかねてから2人の関係を把握していたが、山尾氏がヒラの議員でいる間は報じるつもりはなかったようだ。

 さて山尾氏の入党は26日の役員会で了承され、蓮舫氏も年内に入党が認められるだろう。民進党の代表だった蓮舫氏と入党が早かった山尾氏を、立憲民主党はどう遇していくのか。女性同士が激突する火花は、思わぬトラブルを生みかねない。枝野幸男代表の手腕に注目が集まる。

政治ジャーナリスト

兵庫県出身。姫路西高校、慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格後、政策担当秘書として勤務。テレビやラジオに出演の他、「野党共闘(泣)。」「“小池”にはまって、さあ大変!ー希望の党の凋落と突然の代表辞任」(ワニブックスPLUS新書)を執筆。「記者会見」の現場で見た永田町の懲りない人々」(青林堂)に続き、「『新聞記者』という欺瞞ー『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)が咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を連続受賞。2021年に「新聞・テレビではわからない永田町のリアル」(青林堂)と「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)を刊行。姫路ふるさと大使。

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