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台風16号 広大な暴風域を伴い伊豆諸島や関東に最接近へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
朝陽を浴びる台風16号(ウェザーマップ)

あす1日(金)伊豆諸島や関東へ最接近

台風16号予報円(ウェザーマップ)
台風16号予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風16号は、きょう30日(木)午前6時現在、中心気圧935hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの大型で非常に強い勢力で、日本の南を北上しています。

きょうに入ってから進行方向が北から北北東へ変わってきましたので、台風16号は転向点に差し掛かってきたとみられ、このあとは徐々に加速しながら北東方向へまっすぐに進んで行くものと思われます。

台風の予報円もかなり小さくなり、あす1日(金)明け方から昼過ぎにかけて、非常に強い勢力を維持しながら八丈島や青ヶ島など伊豆諸島南部に最も接近し、夕方から夜にかけて、関東の東を通過したあと、あさって2日(土)には日本の東へ遠ざかって行く見込みです。

台風16号の特徴は、非常に強い勢力であることと、強い風の吹いている範囲がとても広いことで、現在の暴風域は直径440キロ(半径220キロ)ですが、今後さらに広がり、直径500キロ以上の暴風域を伴い、伊豆諸島や関東に最接近する見込みです。

台風の暴風域に入る伊豆諸島では猛烈な風が吹き荒れますし、関東の沿岸部でも広大な暴風域の影響で、大荒れとなりそうです。

広大な暴風域に警戒

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

上図はあす1日(金)午前6時の雨や風の予想ですが、台風16号の周り、かなり広い範囲に風速24メートル以上の暴風の範囲が広がっているのが分かります。(台風の暴風域は風速25メートル以上)

このため、伊豆諸島はもちろん、台風の中心がかなり離れている関東や東海の沿岸部でも強い風が吹き始めているものと思われます。

また伊豆諸島南部には台風本体の活発な雨雲がかかり、非常に激しい雨や猛烈な雨が降るおそれがあります。

関東でも暴風に警戒

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

台風16号は、1日(金)明け方から昼過ぎにかけて、伊豆諸島南部に最も接近する見込みです。

伊豆諸島南部では、最大瞬間風速50メートルの猛烈な風が予想されており、これは一部の電柱が倒壊したり、建物の一部が広範囲に飛散するおそれのある暴風ですから、不要不急の外出を控え、屋内では窓から離れるなど、厳重な警戒が必要です。

また総雨量は300ミリから400ミリに達するおそれがありますので、暴風はもちろん、大雨や高波にも厳重な警戒が必要です。

また台風16号は昼過ぎから関東にも近づいてくる見込みです。近づくとは言っても、千葉県から300キロほど離れた沖合を通過していきますが、上述している通り、広大な暴風域を伴っていますので、千葉県や茨城県を中心に、最大瞬間風速30メートル以上の暴風が吹くおそれがあります。

また関東でも激しい雨を伴い、多い所では総雨量100ミリから200ミリ程度の大雨となる所がありそうですから、台風が離れて通る(それる)からといって油断は禁物です。

中心が遠ざかっても暴風や高波に警戒

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

1日(金)夜以降は、台風16号の中心が関東沖に次第に遠ざかり、各地の雨は止んでくるところが多くなりますが、やはり強い風の範囲が広大なため、中心が遠ざかっても、しばらくは沿岸部を中心に、暴風には警戒が必要です。

また台風16号が日本の東へ遠ざかる2日(土)も太平洋側では大しけの続く所がありますので、海は最後までうねりを伴った高波に警戒して下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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