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元WBAスーパーライト級王者のカムバック

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Jarryd Duarte/Team Barrios

 2021年6月26日にジャーボンテイ・デービスにKO負けし、WBAスーパーライト級タイトルを失ったマリオ・バリオス(27)。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210629-00245092

 キャリア初の黒星は、心身ともに大きなダメージを負った。キース・サーマンを相手にした7カ月後の再起戦でもいいところなく、ワンサイドの判定で敗者となる。26勝(17KO)2敗となった元チャンプの去就が注目されたが、来る2月11日に、1年ぶりのリングに上がる。

Jarryd Duarte/Team Barrios
Jarryd Duarte/Team Barrios

 サーマン戦は、バリオスにとってウエルター級での初試合だった。147パウンドで戦える体ではなかったことを反省し、1年間、ウエルターの体を作り上げたそうだ。

 しかも、今回の試合会場は故郷であるテキサス州サンアントニオのアラモドーム。絶対に負けられない一戦だ。

Jarryd Duarte/Team Barrios
Jarryd Duarte/Team Barrios

 つい先日、練習を公開したバリオスは語った。

 「故郷のファンに試合を提供できることを嬉しく思います。ワクワクしていますよ。私はサンアントニオを愛しています。当地のシンボルとしてリングに上がる自分を誇りに感じます。火花を散らす熱い戦いとなるでしょう。

 今回はキャンプ地をラスベガスとし、トレーナーはボブ・サントスに再びお願いしました。心と体を休めた後、ハードなキャンプを2度こなしたんです。ボクシング界の中心地でトレーニングしているので、キャリアを更に充実させてくれるでしょう。今回のキャンプはとても満足しています。試合当日は、自分がこれまでに取り組んできたことを全て見せたいですね。自分のコーナーには姉のセリーナも付きます。私たちは一緒にボクシングを始めましたが、今でもコーナーで彼女のアドバイスをもらえることに感謝しているんですよ。

Jarryd Duarte/Team Barrios
Jarryd Duarte/Team Barrios

 対戦相手のジョバニー・サンチアゴは、質の高いファイターだと思いますね。エイドリアン・ブローナーと接戦を繰り広げ、多くの人がサンチアゴの勝利を唱えました。油断すると、サンチアゴには酷い目に遭わされますよ。私は決して彼を見下したりはしません。でも、私が過去にPPVのメインイベントに2度出場し、世界王座に就いた理由を示したいですね。復活した私と彼はレベルが違うということ、そして、自分がこの階級の脅威であることを証明してみせます。私と彼には差があり過ぎることを教えてやりますよ。

 サンチアゴに勝利することで、世界タイトルマッチがグッと近付くでしょう。このところ、多くのタイトルが空位になっていますが、自分の実力を見せれば、ウエルター級世界王者とも渡り合えることを示せますよね。私の今の目標は、2度目の世界チャンピオンになることです。11日に勝てば、タイトルマッチやウエルター級のビッグネームに近づけます。ファンの方々に『もっと大きな舞台で戦う私を見たい』と感じさせたいですね」

Jarryd Duarte/Team Barrios
Jarryd Duarte/Team Barrios

 さて、どんなファイトとなるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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