視聴者の半数は国外在住!ノルウェーの高校生ドラマ『SKAM』スウェーデンでネットテレビ視聴率を更新
高校生の日常生活を描いたノルウェーのネットドラマ『SKAM』の勢いは今年も止まることがなさそうだ。
放送権は北欧各国でも購入され、公共放送スウェーデン・テレビSVTは、ストリーミング回数がすでに2000万回を超えたと14日に発表。同局がオンラインで提供するSVT Playで、史上最高の視聴数を記録した。ノルウェーでも、すでにこれまでで最も視聴されたネットドラマとなっている。
ドラマの視聴者の半数は、すでにノルウェー国外に住むファンとなっており、予想外のハプニングが相次いでいる。
撮影場所となっているノルウェーの首都オスロにあるハットヴィグ・ニッセン高校には、外国人ファンが押し寄せる事態に。市内の撮影スポットは、新たな観光地となりつつあるが、高校は部外者の侵入を禁ずる処置をとる対応を迫られた。
13日、ドラマを配信するノルウェー国営放送局NRKは、国外在住のファンに残念なお知らせをすることに。驚くことに、これまでの3シーズン全ては、世界中からドラマの公式HPや、局の公式HPで、無料で、面倒な登録などは一切なしに、視聴可能であった。ファンが字幕を付けて、いわゆる違法アップロードをしていても、「ノルウェーのドラマが世界で話題になっている」と、同局は喜ぶ姿勢を見せていた。
しかし、13日より、ノルウェー国外にいる人々は、公式HPが閲覧不可能に。ノルウェー・国際レコード産業連盟(IFPI)が、NRKに苦情を申し立てたためだ。
ドラマには何曲ものノルウェー人アーティストの曲が使用されている。しかし、当初、ドラマの視聴者は、「ノルウェー国内と、国外に住んでいるノルウェー人」と想定されていた。
ここまで爆発的に国外でドラマが見られることとなるとは誰も予想しておらず、他国での音楽再生における権利や売り上げの配分は話し合われていなかった。同局が英語の字幕配信を行っていなかった理由も、ドラマは国内の視聴者のために製作されたものだからだ。
現在、NRKは音楽業界関係者と早急の話し合いをしており、解決策を模索中と報道。つまり、年内の春に放送予定とされているシーズン4を、国外在住のファンはリアルタイムで見ることができなくなる可能性がある。このことは、スウェーデンやデンマークなどのメディアでもすぐに報道された。
NRKは国外在住のファンに向けて、公式HPやSNSで、英語でも説明・謝罪。ファンサイトでは憤慨する声が相次いでいる。
Text: Asaki Abumi