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さらば「盛運亭」! タモリさんが通った南麻布の老舗町中華が40年の歴史に幕

井手隊長ラーメンライター/ミュージシャン
らーめん 盛運亭

東京・南麻布にある町中華「らーめん 盛運亭」が10月25日、40年の歴史に幕を下ろした。

東京メトロ・白金高輪駅から徒歩5分、桜田通り沿いの古川橋交差点からすぐのところにある町中華。高層ビルやマンションが立ち並ぶ中、昭和の面影をそのまま残したお店で、長く愛された名店だ。

タモリさんの通う店

「盛運亭」は1983年創業。

タモリさんの通う店として知られていて、テレビ朝日で放送されていた『タモリ倶楽部』の「空耳アワー」のVTRでよく使われる店として有名だった。東京ヤクルトスワローズの選手たちのパワースポットとしても知られ、青木宣親選手のサインはなんと3枚も飾ってある。

メニューの「特製ラーメン」の文字はタモリさん筆
メニューの「特製ラーメン」の文字はタモリさん筆

2018年8月の『タモリ倶楽部』では「ありがとう盛運亭!祝35周年記念パーティー」が放送された。お店を訪れたタモリさん、石井一久さんのほか、VTRで松たか子さんがお祝いコメントを贈った。なんとメニューの「特製ラーメン」の文字はタモリさん筆である。

開店当時は豚骨ラーメン店だった

店主の出山行男さんは千葉県出身で、鹿児島で修業し「盛運亭」を開業。

開店当時は白濁した豚骨ラーメンを出していたが、当時東京には豚骨ラーメンは殆どなく、全くウケなかったという。その後、東京醤油ラーメンに路線変更をする。

もう少し早く火が点いていたら、もしかしたら「盛運亭」が東京の豚骨ラーメンの火付け役になっていたかもしれない。

お坊さんが付けたパワースポット的な店名

筆者は「盛運亭」という店名がとにかく好きである。「運」が「盛」り上がるとはなんと素敵な店名だろうか。仕事が行き詰まるとパワースポット的に「盛運亭」に訪れ、ラーメンを食べていた。実はこの店名はあるお坊さんが付けたという。

ラーメン
ラーメン

こちらが「ラーメン」。出山さんとともに外国人の店員さんが黙々と作っているのが印象的。

具はチャーシュー、モヤシ、メンマ、ネギ、ノリ。麺は中太ちぢれ。

動物系と野菜メインのノスタルジック系のスープで醤油ダレが強めの味わい。麺のプリッとした歯ごたえが良い。

チャーシューメンも人気
チャーシューメンも人気

そしてなんと言ってもチャーシューが絶品。ホロっとしていて肉の旨味もしっかり。

一度ラードとごま油で揚げてから煮込むという手の込んだ製法。「チャーシューメン」も人気だ。

セットで人気の半炒飯
セットで人気の半炒飯

そして、ラーメンと一緒に「半炒飯」を注文するのもお決まり。

ラードがご飯を覆い、塩角の丸い味わいで、ラーメンのスープとの相性もバツグンだ。

ランチで圧倒的な人気を誇る豚生姜焼
ランチで圧倒的な人気を誇る豚生姜焼

そして、ランチ時に圧倒的な人気なのは「豚生姜焼」だ。

オーソドックスな味付けだが、これはこれで町中華的な美味しさ。添えられた野菜を生姜焼のタレで食べるのが最高だ。

閉店を惜しむ常連客が長い行列を作った
閉店を惜しむ常連客が長い行列を作った

閉店の前日、10月24日の昼に筆者も食べ納めに行った。開店前から長い行列ができ、閉店を惜しむ常連客が多数訪れた。

常連だったという麒麟の川島明さんも食べ納めに訪れ、X(旧Twitter)上でその閉店を惜しんだ。

東京に来てから足繁く通わせてもらった盛運亭さん。1人で飲みに行ったりタモリさんにお薦めメニューを教えてもらったりと思い出たくさんの名店。

自分の色んな番組にも協力していただきました。

最後の日に名物の生姜焼き定食を味わい、大将にもご挨拶できて良かった。

40年間本当にお疲れ様でした。(川島明 Xより)

昭和から平成・令和を駆け抜けた老舗がひっそりと幕を下ろした。

※写真はすべて筆者による撮影

ラーメンライター/ミュージシャン

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。東洋経済オンライン、AERA dot.など連載のほか、テレビ番組出演・監修、コンテスト審査員、イベントMCなどで活躍中。 自身のインターネット番組、ブログ、Twitter、Facebookなどでも定期的にラーメン情報を発信。ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。本の要約サービス フライヤー 執行役員、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」事務局長も務める。

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