「#春から○○大」に注意、大学の新入生を狙うカルト・悪徳商法の可能性も…既に被害が出て上智大が警告
新年度が近づいてきた。大学へ進学する予定の皆さんは、期待に胸を膨らませている頃ではないだろうか。「#春から○○大」などのハッシュタグで同じ大学に進学する同級生を探し、つながっている人は多いだろう。しかし、このハッシュタグにはあるリスクがあるのでご紹介したい。
同級生とつながりたい新入生がターゲットに
大学入学後に同じ大学の友だちとつながって情報交換することは大切だ。その時に便利なのが、大学用のアカウント(通称「大学垢」)を作成し、「#春から○○大」などのハッシュタグで同級生を探し、つながることだ。
特に2020年度の新入生はコロナ禍で大学に行けない時期も長く、SNSを使ってつながることがとても重要な意味を持っていた。2021年度の新入生には、少しでも早く同級生とつながりを持ちたいという気持ちが強いかもしれない。
しかし、上智大学が「新入生に対するソーシャルメディアを利用した不審な告知について」(2021年3月1日)という警告文を発表している。
つまり、つながりたい新入生の気持ちにつけこんで、悪意のある勧誘が行われているのだ。大学の課外活動団体を装った学外団体、カルト宗教や悪質商法などが正体を隠してイベント告知や勧誘を行っていることもあるので、注意が必要だ。
主催者のはっきりしない企画には、たとえオンラインであっても参加しないほうが安心だろう。また、見覚えのないDMには返信しない、メールアドレスやIDなどの連絡先を安易に登録しないことも大切となる。
毎年3月から4月にかけて、新入生向けと称して、同大学のエンブレムや写真をプロフィール画像に使用しているアカウントや、同大学生と称して学生生活に関する情報を配信するアカウントが多数出現している。しかし、これらのものは公式アカウントではない。
また、「#春から上智」「#上智生とつながりたい」などのハッシュタグがついている投稿で、フィッシングサイトやアフィリエイト収入目的に広告サイトに誘導するケースも見られるという。
過去に中央大、日大などでも同様の被害
このような例は上智大だけではない。中央大学では2020年4月に同様の警告文を出している。
日本大学でも、2017年に同様の事例があり警告文が出されている。筆者が確認しただけでも、多くの大学で同様のアカウントは多数見つかる状態となっている。つまり、どの大学の新入生でも他人事ではないということだ。
過去にも報道されたとおり、このようなアカウントを使って「カルト宗教に勧誘」されたり、「儲け話を餌に高額な金銭を要求されたり、高額商品を売りつけられる」パターンが多い。それ以外にも、前述のようにフィッシングサイトや広告などに誘導したり、不快な写真などを送りつけられる例があるので注意してほしい。
信頼できるアカウントか必ず確認を
公式のアカウントや同級生などとつながったり、情報を得ることは、進学してからの生活を支える大切なものとなるだろう。しかし、既にご説明したようなリスクにもつながっている。そこで、以下の点から、信頼できるアカウントかどうか確認してほしい。
○大学公式サイトに掲載あるアカウント
○「認証マーク」がついている
○公式アカウントで紹介されたり、リツイートされている
同じ新入生のアカウントは確認する手段はないので、フォローする場合は個人情報は渡しすぎないようにしたり、新年度になって顔を合わせてからつながると安心だ。
大学公式の新入生向けオンラインイベントもあるが、このようなものは必ず大学の公式サイトで告知されているので、そちらで確認してほしい。
同級生が多数フォローしているとか、「#春から○○大」というハッシュタグだけでは信頼できるかどうかはわからない。むしろ自分がフォロー、リツイートなどすることで、他の同級生も騙されてしまう可能性が高くなるので、くれぐれも注意してほしい。