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台風15号北上 週末は全国的に大雨警戒

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
台風15号の予想進路(2013年8月29日15時)気象庁

台風15号は29日午後3時、台湾の北の海上を北上しています。暴風域はなくなりましたが、海面水温の高い海上を北上するため、今後も、勢力を保ちながら九州に近づく見込みです。

台風は土曜日に九州に接近

台風が予想円に沿って北上した場合、土曜日(31日)には九州に近づき、その後は前線に取り込まれて温帯低気圧に変わる予想ですが、上陸する可能性も残っています。強調したいのは台風から低気圧に名前が変わっても、雨雲が消えてしまうわけではないこと。土曜日(31日)から来週の月曜日(2日)にかけては、台風または、台風から変わった低気圧が日本列島を横断する可能性が高くなっています。

日本海側は大雨に警戒

台風15号の勢力はあまり強くはないものの、活発な雨雲を伴っています。また、日本列島には前線が横たわり、今夜以降は北日本から西日本の日本海側にかけて、雨が強まり始めるでしょう。今月は9日に秋田・岩手両県で、24日には島根県で特別警報に相当するような大雨がありました。とくに、島根県では先の大雨から、時間を空けずに、再び大雨となるおそれがあります。

台風と前線は大雨パターン

どうしても、台風の行方に注目してしまいがちですが、今夜以降、北海道を通過する低気圧や本州を南下する前線の方が、強い雨を降らせる雨雲を伴っています。過去の例をみても、日本列島に前線が停滞している場合には台風が遠くても大雨になることが多く、あす(30日)からの大雨はこのパターンになるのではないかと思っています。

折しも、あす(30日)午前0時から、特別警報の運用がスタートします。この週末の大雨が特別警報級となるかは予断を許しませんが、どんなときも「備えあれば憂いなし」。大雨になる前に、準備をすること、いつもと違う雨の降り方だと感じたら、早めに避難するなどの心構えが必要だと思います。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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