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プロ0勝ルーキーが「侍ジャパン」にサプライズ招集!「浮き上がる球を」

田尻耕太郎スポーツライター
2020東京五輪の戦力にも浮上!?(筆者撮影)

11月の日米野球に出場

 福岡ソフトバンクホークスの高橋礼投手が侍ジャパンに追加招集された。

 11月に開催される「ENEOS侍ジャパンシリーズ2018」ならびに「2018日米野球」に出場する野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの出場選手の変更が10月18日の午後3時に発表された。当初メンバー入りしていた東克樹投手(横浜DeNAベイスターズ)が左ひじの炎症のため出場辞退となり、高橋礼に白羽の矢が立った。

「驚きましたが、とても嬉しく光栄に思っています。対戦する打者がアンダースローからの浮き上がる球を見てどう反応するか、自分が自信を持っているストレートがどれだけ通用するか、すごく楽しみです。貴重な機会なのでいろんなことを学んで今後の糧にしたいと思います」との素直な心境と喜びの声が侍ジャパンの公式サイトに寄せられた。

 本人も野球ファンも誰もが驚いたサプライズ招集だ。

 高橋礼は今季がプロ1年目。専修大学からドラフト2巡目でソフトバンクに入団した。特徴は右アンダースローという変則フォーム。そのタイプの投手としては異例の140キロを超えるストレートを武器としており、今季1軍では12試合に登板して0勝1敗、防御率3.00の成績だった。

フォーム改良でボールに威力

 シーズン序盤こそ苦戦をしたが、ファームで「肘の位置をほんの気持ちだけ上げて、手首を立てて投げる」投球フォームに取り組み、球の威力が増したことで終盤戦では本来の力を発揮。10月3日の千葉ロッテ戦(ヤフオクドーム)では先発して4回1安打無失点と好投。プロ初白星はならなかったものの、お立ち台に上がった。現在行われているクライマックスシリーズの1軍メンバーにも名を連ねている。

 アンダースロー投手は国際大会では貴重な戦力になるのは間違いない。稲葉篤紀監督に猛アピールすれば、2020年の東京五輪でも日の丸のユニフォームを着て投げる姿が見られるかもしれない。

 追記:この日、メットライフドームでの試合前に取材を受けた高橋礼は「昨日の試合前に聞きました。驚いたとしか言いようがないです」と切り出した。「アンダースローはアメリカにも少ないと思う。その点を注目してみてもらいたい」と意気込みを語った。

 また、東京五輪について「(出場したい)思いはあります」ときっぱり。「まずはチームで活躍することが目標ですが、長い目で見ればオリンピックのような大きな大会に出られれば自信になる。(五輪代表に)選ばれたいと強く思っています」と目を輝かせた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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