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シーズン60本塁打以上の選手は「翌年」に何本打ったのか。ジャッジは昨年62本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Oct 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、62本のホームランを打ち、1シーズンに60本塁打以上を記録した延べ9人目の選手となった。上の写真は、その62本目だ。

 その前の8人――ステロイド時代に記録した6人の本数はジャッジより多く、その前にヤンキースで記録した2人はジャッジより少ない――は、いずれも翌年に少なくとも32本のホームランを打っている。8人中6人は、45本を超えた。

 著しくペースダウンしたのは、ロジャー・マリスだけだ。61本塁打の1961年と33本塁打の1962年を比べると、1本塁打当たりの打数は9.7→17.9と推移した。1999~2000年のマーク・マグワイアは、本数こそ65本→32本と半減したが、これは、夏に2ヵ月近く離脱したのが主な理由だ。ホームランを打つペースは、8.0打数/本→7.4打数と上がっている。

筆者作成
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 シーズン55本塁打以上60本塁打未満(55~59本)の11人とシーズン50本塁打以上55本塁打未満(50~54本)の27人も、傾向はそう変わらない。翌年のホームランが30本に届かなかったのは、それぞれ、11人中2人と27人中4人だ。60本塁打以上の翌年が30本塁打未満は0人なので、合計すると、50本塁打以上の翌年は、30本塁打以上が40人、30本塁打未満は6人となる。

 また、46人中、翌年、1本塁打当たりの打数が20を超えたのは、1931年のハック・ウィルソンと1997年のブレイディ・アンダーソンしかいない。1930~31年のウィルソンは、本数が56本→13本、ペースは10.4打数/本→30.4打数/本。1996~97年のアンダーソンは、50本→18本、11.6打数/本→32.8打数/本と推移した。

 なお、シーズン50本塁打以上を記録しながら、翌年は30本塁打に届かなかった選手の一人は、他ならぬジャッジだ。2017年に52本のホームランを打ちながら、2018年は27本にとどまった。もっとも、ペースは、2017年の10.4打数/本から15.3打数/本にダウンしたものの、故障者リストと無縁のまま過ごすことができていれば、2018年のホームランは30本を超えていたはずだ。7月下旬の死球により、ジャッジは右手首を骨折し、9月半ばまで離脱を余儀なくされた。

 日本プロ野球で1シーズンに50本以上のホームランを打った選手の翌年については、こちらで書いた。

「シーズン50本塁打以上の選手は「翌年」に何本打ったのか。村上宗隆は昨年56本塁打」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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