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WEB時代に長く働き続けるために今日からできるたった一つのこと

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:ネットや医療 膨らむ市場(日本経済新聞)

僕がフリーライターになったのは2002年の春だった。現在と最も異なるのは、WEB媒体の仕事が皆無だったこと。『R25』のようなフリーペーパーすら少なくて商業雑誌がまだまだ元気だった。出版社のWEB部門は、紙媒体で成果を上げられなかった編集者の左遷先のような雰囲気があったと記憶している。

あれから約10年後の今、WEB媒体が激増し、IT音痴の僕でも仕事先の半分以上をWEB連載が占めるようになった。出版社の意識もずいぶん変わり、エース級の編集者がWEB専属になったり電子書籍に本腰を入れている会社もある。

ちなみに、最近始めたこの仕事(ヤフーニュース個人)は、文章を精査してくれる編集者はいない。担当者は「プラットフォーム屋」に徹しているようだ。それはそれで潔い姿勢だし、ネットに関しては一流なので期待感もある。

先日、一度だけ記事がヤフートピックスに上がったときは反響の大きさに驚いた。体感では、朝日新聞に顔写真付きで載ったとき(これも一度だけ)ぐらいの影響力である。なお、ヤフー記事を読んでくれたのは20代~40代がほとんどで、朝日記事で感想を寄せてくれた人は50代~70代が中心だった。

今朝の日経新聞によると、6年以上増益し続けている上場企業を調べるとネットおよび医療関連企業が多かった。金融危機後直後の2009年3月期にかけるように増益期間を6年と設定し、経営環境が悪化していても利益を拡大できた強い企業を探った結果だ。国内市場の縮小が指摘されて久しいが、ネットと医療だけは市場として拡大し続けているのだろう。さらに10年後、僕たち書き手の仕事先もネットが大半になるのはほぼ確実である。

WEB媒体と紙媒体を比較して、書き手として一番感じるのは、WEBは良くも悪くも自由度が高いことだ。文字数の制限はすごく緩くて(紙媒体だと句読点単位で調整が必要)、締め切りはあってないようなものだし(紙では印刷会社が首を長くして待っている)、公開後に修正や削除も可能(紙では一度販売したら回収はほぼ不可能)。書き出してみるといいことばかりな気もするけれど、実際に仕事をしてみるとそうでもない。手を抜こうと思えばいくらでも抜けてしまうからだ。

例えばこのヤフーニュース個人の仕事では、担当者から「数か月に一度しか書かない人もいますし、毎日書いている人もいますよ。内容も含めて、すべて大宮さんにお任せします!」と言われてしまった。報酬は完全PV連動性。こんなに自由だと足がすくんでしまうよ……。

元ガリ勉少年の僕には秘策がある。自分で自分の自由を制限すること。無理しない程度の「学習計画表」を作り、その達成に喜びを見出すのだ。プロフィール欄を見てほしい。「平日はできるだけ毎朝書く」ところがポイントである。このように設定しておけば、週に3~4本は記事を書くことが基準になるし、締め切りは日々の正午になる(通勤中にスマホで読んでもらうためには9時半ぐらいまでにアップしたいのだけど今日も無理だった)。

他人に自由を制限されるとやる気をなくす。でも、勝手に設定した自分のための緩い制限ならば意外と楽しく守ることができるし、条件をクリアしたら小さな喜びも得られる。多少なりとも反響や報酬があれば、手を抜かずに長く働き続けられると思う。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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