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要注目バンドFOMARE「派手なことをやりたい訳ではなく、純粋に、ライヴを重ねてカッコよくなりたい」

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/small indies table

群馬発、ライヴシーンで10代から圧倒的な支持を得るFOMARE

1stフルアルバム『FORCE』(6月12日発売)
1stフルアルバム『FORCE』(6月12日発売)

ライヴシーンで圧倒的な人気を誇る要注目バンド、FOMARE(フォマレ)が、初のフルアルバム『FORCE』を完成させた。FOMAREは、群馬発、アマダシンスケ(Vo&B)カマタリョウガ(G&Cho)の幼馴染コンビと、キノシタタクヤ(Dr)の3ピースバンドだったが、6月3日に行ったライヴを最後に、ドラムのキノシタが脱退を発表。1stフルアルバム『FORCE』は3人で作り上げたものだが、アマダは出演しているラジオ番組で、「決してマイナスな脱退ではなく、彼もこれから先の色々なストーリーや道を切り拓くためにこういう結果になりました。でもネガティブではなく、これからもFOMAREは突き進んでいくので」とコメントしている。

結果的に『FORCE』は、FOMAREが突き進んでいくための決意表明であり、まさに力、武器になる。この作品について、そしてこれからFOMAREが目指す方向について、アマダとカマタに話を聞いた。

恋愛における後悔や情けなさ、喜びをストレートに描く“素直な表情”を持った歌詞

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FOMAREの楽曲は、アマダが描く、恋愛における後悔や情けなさ、喜びをストレートに表現する“素直な表情”を持った歌詞が印象的だ。その若者の等身大の姿をリアルに映し出す言葉の数々がバンド独特のリズムと、空気感を生み出す。それが美しいメロディと相まって、エモーショナルな演奏に乗りライヴでは圧倒的な爆発力を生む。そして聴き手の心を打ち抜く。『FORCE』も、ほぼ日本語だけの、美しくもせつなく、儚さを感じる“生々しい”言葉が並んでいる。

「日本語にこだわっているというプライドは特にないんですけど、俺らが元々洋楽のポップパンク大好きで、英語の意味はわからないけど、メロディがグッとくるから訳詞を読んでまたグッときて、みたいな感じでした。2000年代前半、みんながJ-POPを聴いている時、俺らはバンドを聴いていて、特にMONGOL800が好きでした。このバンドをやるにあたって、いっばい曲を作っていく中で、当然自分のルーツ、影響を受けたバンドの音楽が入っているので、それを自分なりに上手く表現するには、英語じゃなくて、日本語の方が合っていると思いました」(アマダ)。

「伝えたいことは特にないけど、自分に言い聞かせている感じ」(アマダ)

“二人”の過去の映像、息遣いまでもが浮かんでくるような繊細な歌詞。アマダのこれまでの経験、想いが描かれている。

「今回のアルバムの曲は全部新曲で、特にそうなんですけど、自分自身の事を書いています。その曲に、妄想や想像、理想も少しは取り入れてはいますが、なるべくは自分の“予感”を描くというか。だからといって、自分の伝えたいことが明確ではなく、伝えたいことは特にないんですけど、自分の言いたいことを自分に言い聞かせて。やっぱり歌詞を改めて見ると、自分に言い聞かせてるんですよね、でも3分の1くらいは、伝えようとしてる自分もいる中で、あまり伝えたいという意志がなくて。逆にそれが不思議です、客観的に見て」(アマダ)。

もちろん美しいメロディの存在が、言葉をより輝かせ、説得力を纏わせて聴き手の心に真っすぐに届く。

「アマダは、サビのメロディに徹底的にこだわるグッドメロディメーカー」(カマタ)

「ずっと一緒にやってきて、とにかくメロディがいい。だからアマダはグッドメロディメーカーで、歌詞は最初はできていなかったりすることも多いので、一番大事にしてるメロディで、この曲はありか、なしかをまず決めて。ありになったら、割と自分がやりたいことがたくさんある方なので、アイディアを提案していく感じで、曲の全体像を決めていきます」(カマタ)。

「カマタとは小学校からずっと一緒なので、いい意味で友達と遊ぶ感覚で曲作りを楽しんでいるというか。まずサビ作りから始めて、サビのメロディと、ちょっとした歌詞をボイスメモで録って、スタジオ持っていきます。でも俺らあんまり音楽的なバンドじゃないというか、マイナーとかシャープとかコードのこともよくわからないまま、体で表現しながら作っています。バンドって、A・B・サビっていう流れの音楽が多いじゃないですか。でも俺たちはなにはなくとも、とにかくサビ。サビ頭の曲も多いし、サビのメロディをより活かした曲作りになっています」(アマダ)。

感覚優先で、決まった型にハマらない曲作りが、逆に若いファンの心をつかむグルーヴを生んでいるのかもしれない。もちろんそこにはルーツミュージックのエッセンス達が顔を出している。『FORCE』と名付けられた今回の作品に感じる勢いや熱量は、これまでとは異質なものかもしれない。制作に臨む心持ちも違ったようだ。

「今回の作品作りに与えられた時間は一か月。でもそこに去年一年間やってきたこと、俺ら3人の活動がちゃんと曲に表現できた」(アマダ)

「今回はそれが一番いいタイミングだったと思います。去年死ぬほどレコーディングして、ツアーもやって、ひとつの事にしか集中できないタイプなので、初のフルアルバムで新曲10曲を1か月で作るというのは、プレッシャーでした。でもその1か月間が、去年一年間やってきたこととか、俺ら3人の活動が、ちゃんと曲に表現できたと思っています。今までの作品はもちろんいい作品だと思うんですけど、CDになって改めて聴いたとき、もっとこうした方がよかったかなって思うことも多くて。でも今回は絶対そういう作品を作りたくなかった」(アマダ)。

「いつもにも増して、ライヴのことを想像して作ったアルバム」(アマダ)

「最後の最後でホッとする作りになっていて、グッときて、でもまだまだ聴きたくなってライヴに行きたくなる仕掛けがしてある」(カマタ)

疾走感のあるエモーショルな曲が多い中、「君が都会へと帰ってく」「赤と青」「lonely」など、ミディアムテンポの楽曲や「自信がある」というバラードも輝きを放っている。メロディの良さが強さだと自らが語っているように、メロディの美しさはバラードでさらに際立つ。

「「赤と青」、自信作です。元々ピアノを入れたいよねって言っていたのです、入れてみました」(カマタ)。

「いつもライヴあっての音源って考えているので、フレーズもライヴでの盛り上がりを想像したり、映えを考えたりもしていました。でも今回いつも違うのは、今まではライヴでやっていた曲を、リテイクして作品に収録することもありましたが、今回はライヴで一回もやったことがない曲ばかりなので、よりライヴのことを想像できました。曲順も、最後まで聴かないと物足りないと感じると思うので、まずは一枚通して絶対最後まで聴いてもらえる自信があります」(アマダ)。

「最後の最後で安心する作りになっていて、グッときて、まだまだ聴きたいからライヴに行くか、と思ってもらえるように仕掛けがしてあります(笑)」(カマタ)。

このアルバムを引っ提げて初の47都道府県ツアー『FOMARE「FORCE TOUR 2019」』を6月14日、地元・群馬からスタートさせる。

「47都道府県ツアーを終えて、どんな音楽ができあがるのか楽しみ」(アマダ)

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「俺たちは派手なことをやりたいと思っているわけではなく、純粋にライヴを重ねてカッコよくなり続けたい。だから47都道府県ツアーをやることでこれからの作品作りにも影響があると思うし、音楽も変わってくると思うので楽しみです。今のところはまだ全然初期衝動段階です。色々あると思うけど、一生このまま今の想いを持ち続けたい」(アマダ)。

「めちゃくちゃ人気者になりたいけど、一瞬で終わりたくないという気持ちが強くて。とにかくバンドを長く続けていきたい」(カマタ)。

FOMARE オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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