中国南部に史上最強台風14号が上陸
今年最強台風14号は、今朝(15日)中国南部の福建省に上陸しました。新華社通信によると、この地域に上陸した台風としては、1949年に観測が始まってから、最も強かったということです。
16日には熱帯低気圧へ
台風14号は15日(木)18時現在、中心気圧996hPa、最大風速18メートルで、福建省北部付近を北北西に進んでいます。16日(金)朝には熱帯低気圧へと変わる見込みですが、引き続き大雨の恐れがあり、中国東岸の江蘇省などでは17日(土)にかけて、最大で約400ミリの雨が予想されています。
台風14号のこれまでの被害
中国
外電によると、福建省では165万世帯で停電が発生、また断水も起きたようです。15日(木)からは「中秋節」が始まっていますが、高速鉄道が運転を中止したり、多くの空の便も欠航となっているために、観光や帰省をする人々の足に大きな影響が出ています。
さらに強風によって、月の大きなバルーンが吹き飛ばされて地面を転がる動画が撮られ、多くのメディアで紹介されています。
台湾
14号は14日(水)猛烈な勢力で台湾に最接近しました。台湾の気象局によると、台湾最南端の恒春鎮では、観測史上最速となる73メートルの最大瞬間風速を記録。その他の場所でも、船のコンテナが吹き飛ばされたり、高波で灯台が一瞬のうちに破壊されたりと、多大な被害が出ています。
また日降水量が800ミリ以上にのぼったところもあり、大規模な洪水や土砂崩れも発生しています。これまでのところ、1人が死亡、51人が負傷したと伝えられています。
フィリピン
本土は直撃を免れたものの、最北端のイトバヤット島では、台風の中心が通過して行きました。この島には、3千人の住民が住んでいます。相当な被害が予想されますが、現在停電により通信網が遮断されているようで、詳しい状況は分かっていないようです。
続く台風16号に警戒
台風14号の影響を受けた台湾やフィリピンの一部では、再び嵐に見舞われる恐れが出ています。それというのも、台風16号が昨日の予報よりも、やや西寄りのコースを進む可能性が出てきたためです。さらに、週末には、沖縄県にも最接近するおそれがあります。
より恐ろしい秋の台風
秋の台風は夏の台風よりもより強くなる傾向があります。実際、1991年以降に発生した900hPa以下の台風は、2015年13号と今年の1号を除いて、すべて9月以降に発生しているのです。
それは、水は空気よりも暖まるのが遅いので、夏よりも秋の方が海水温が上がり、台風のエネルギー源が増えるためです。
今年も、これから益々強力な台風が発生する可能性があり、さらに警戒を強めていく必要があります。