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GoToトラベル再開!? 新たな内容とは ? 平日に休みを取りづらい会社員の不公平感も

瀧澤信秋ホテル評論家
昨年は10月から東京が追加され活況を呈していった(写真:西村尚己/アフロ)

昨年、様々な物議を醸し年末に停止となっていた観光支援事業のGoToトラベルであるが、変更案と共に政府の再開へ向けた動きが22日報道された。従来との相違点についてまとめてみたい。

見直されるポイント

従来

見直し

【補助の内容】

従来は旅行代金の50%相当ひとり1日2万円を限度

上限1万円(5000円という案も)へ引き下げ

【対象地域について】

基本的に全国一斉

感染が落ち着く傾向にある地域から先行

【適用日】

休日・平日の区別無く

平日の補助率引き上げや休日の割引適用除外

【感染対策】

登録宿泊施設等へ義務づけ

宿泊事業者や旅行・バス会社へ財政支援も

【支援】

その他財政基盤の脆弱な事業者や被災観光地への支援も検討されている

おおまかな点をまとめてみたが、昨年のGoToトラベルで問題とされてきた以下の点に配慮した内容といえる。

●高級施設恩恵からの不平等感

●感染対策不徹底という批判への対応・・・

他方、休日の割引適用除外や平日に補助率を引き上げるなど、平日に休みをとりにくい会社員には不公平という指摘もなされている。

昨年の反省を踏まえ

昨年のGoToトラベルにおいては、その制度設計やシステムの不備などから問題が続出、宿泊施設とゲスト、ゲスト同士のトラブルや施設の現場が疲弊しているシーンを何度も見てきた。

筆者の記事引用で恐縮であるが列挙してみたい。

あいつムカつく!! 客がホテルの自粛警察!? GoToホテルで客同士の一触即発現場を見た (Yahoo!ニュース(個人))

また、お得感も過熱し過度なプランの情報が拡散、問題となるケースも指摘された。

実質タダ?【GoToホテル】非常識な裏技への違和感(Yahoo!ニュース(個人))

そうした利用術的な部分で(朝三暮四的内容も含め)一部煽った情報拡散もなされた。

テレビのワイドショーで煽り煽られ疲弊したGoToホテル現場の悲鳴(Yahoo!ニュース(個人))

疲弊する現場を生まぬよう

写真:アフロ

特に再開に当たっては、事業者(現場)から制度の複雑さを憂う声は大変強い。改変に次ぐ改変がなされてきたGoToトラベルであるが、仮に再開するのであれば感染対策は当然として、現場が円滑に進められるような行政や事務局の強いサポートが重要だ。仮に再開されるのであれば、昨年来指摘された様々な問題を解決すべくスムーズな事業遂行ができるよう、きっと相当に入念な準備がなれていることと思う(信じる)。

また、昨年末の停止にあたっては、感染拡大を招いたのか否かについて議論が拮抗した。様々なデータが持ち出された、業界を中心に「感染拡大とは無関係」という主張と共に、「やはり関係があった」という声も強かった。これについては未だ続いている議論である。引用がつづいて恐縮だが、これらについて筆者は、世論がGoToトラベル再開へと向くか否かはデータの主張はもちろん重要だがムードの支配は強いという考察をした。

で、GoToトラベルは感染増に影響したのか-再開か停止かもまたムード?(Yahoo!ニュース(個人))

夏日も思わせるような春めいてきた気候、ワクチンや感染者(陽性者)減少、緊急事態宣言部分解除のニュース等が広がるタイミングでのGoToトラベル再開へ向けた修正案については、再開の是非はさておき“ムードの支配”という点では実に見事である。仮に再開に向かうのであればとにかく初めが肝心。前回のアクセル踏みっぱなしのムードから、アクセル&ブレーキ併用の安全運転スタートを願いたい。もちろん、旅行へ行けぬ人、病で苦しんでいる人を思い量る優しさも併せ持ちつつ。

ホテル評論家

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説とメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態に渡る。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

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忌憚なきホテル批評で知られる筆者が、日々のホテル取材で出合ったリアルな現場から発信する辛口コラム。時にとっておきのホテル情報も織り交ぜながらホテルを斬っていく。

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