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棋王戦ベスト4に進むのは増田康宏六段か? 伊藤匠五段か? 9月12日、本戦4回戦で若手実力者激突

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月12日。東京・将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定トーナメント3回戦、増田康宏六段(24歳)-伊藤匠五段(19歳)戦がおこなわれます。

 ベスト8のうち、2人は予選からの勝ち上がり組です。

 増田六段は予選で村中秀史七段、日浦市郎八段、真田圭一八段、瀬川晶司六段に勝って本戦に進みました。

 伊藤五段は岡崎洋七段、中田宏樹八段、藤森哲也五段、梶浦宏孝七段、長谷部浩平四段に勝っての本戦進出です。

 増田六段は本戦で稲葉陽八段、斎藤慎太郎八段に勝ちました。

 伊藤五段は三浦弘行九段、永瀬拓矢王座に勝っています。

 両者ともに、タイトル戦の番勝負にいつ登場してもおかしくない若手実力者。どちらが渡辺明棋王に挑戦しても盛り上がるを見せるでしょう。しかし今期棋王戦ではここで、ベスト4に進むのはどちらかにしぼられます。

 棋王戦はベスト4に進むと、敗者復活の枠が設けられているのが大きな特徴です。そうした意味でも、ここは大きな一番といえるでしょう。

 両者が四段になってからの公式戦では、昨年2021年の朝日杯一次予選で対戦。増田六段が勝っています。

 伊藤五段がまだ奨励会三段のときに参加した2020年の新人王戦では、伊藤三段(当時)が勝っています。

 ちなみに新人王戦では、増田六段は優勝2回、準優勝1回。伊藤五段は優勝1回の実績があります。

 ABEMAトーナメントでも大活躍をしている両者。こちらでは今年の予選リーグで対戦し、増田六段が勝っています。

 今年度成績は、増田康宏六段は13勝5敗(勝率0.722)。伊藤五段は20勝6敗(勝率0.769)です。

 ちなみに増田現六段は、藤井聡太現竜王が現れるまで現役最年少棋士でした。現在の最年少は伊藤匠五段ですが、10月1日からは藤本渚新四段がさらに若い棋士となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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