コロナに季節性はあるのか
寒さと乾燥が本格化しているが、再び、新型コロナの感染が拡大するのだろうか。一足早く冬に向かっているフランスでは23日、新規感染者が初めて4万人を超えた。アメリカでは天気と疫学研究をつなぐ取り組みが始まっている。
全国の約4割でこの秋最低
25日(日)は大阪、広島、福岡など全国396か所で、この秋一番の冷え込みとなりました。また、23日(金)は近畿地方で昨年より12日早く、木枯らし1号が吹き、寒さと乾燥を感じる時期になりました。
そんな中、欧米で再び、新型コロナウイルスの感染が急拡大しているニュースが連日報じられ、日本はどうなるのだろうかと不安が頭をもたげます。
フランスでは加速度的な増加
こちらは世界保健機関(WHO)が公表したフランスの感染者数の推移を示したものです。
今年春に流行した際のピークは一日あたり7,217人(4月1日)でした。その後、新規感染者数は少なくなりましたが、再び、8月後半から増えていることがわかります。9月18日には新規感染者が初めて1万人を超え、その22日後に2万人、さらに6日後には3万人に達しました。その後も勢いは収まらず、今月24日は41,825人が新たに感染しました。
パリは一足早く冬へ
急拡大している背景はさまざまあると思いますが、季節的な側面から考えてみました。9月1日以降の一日あたりの新規感染者数とパリの日平均気温を比較したのがこのグラフです。
9月20日頃から気温が下がり始め、日平均気温は10度から15度を行ったり来たりするようになりました。日平均気温10度は東京で言えば、11月下旬の寒さです。そして今月18日には日平均気温が8.4度まで下がり、パリの秋は急速に深まっているようです。
天気と疫学を結ぶ取り組みも
新型コロナウイルスが感染拡大した当初は夏になるといったんは下火になるとの推測もありましたが、実際は気温が高い時期でも感染は広がりました。
今の欧米の感染拡大をみると、インフルエンザのような季節性があるように思えてしまいます。でも、本当にそうなのか、日本も欧米と同じような道を歩む可能性があるのか、よくわかりません。
天気と医療のつながりが希薄との思いがあるなか、米海洋大気局(NOAA)が新型コロナウイルスの疫学研究に気象データを役立てる取り組みを始めていることを目にしました。今後、このような取り組みが広がることを期待しています。
【参考資料】
世界保健機関(WHO):WHO Coronavirus Disease(COVID-19) Dashboard
米海洋大気局(NOAA Research):Climate Data for Epidemiological Research