『鬼滅の刃』9カ月ぶりに1位獲得、『イカゲーム』は急上昇2位に~10月の動画配信ランキング
Amazonプライム・ビデオやNetflixなどの定額制動画配信サービスにおいて、どのようなコンテンツが見られているのでしょうか。また、そのコンテンツの視聴者属性(性別、年代)はどのような割合なのでしょうか。弊社GEM Partnersが実施している19の定額制動画配信サービスを横断した週次の視聴者数調査の結果を2021年10月分としてまとめました。
本ランキングは19の定額制動画配信サービス(ABEMAプレミアム、Amazonプライム・ビデオ、Apple TV+、dTV、dアニメストア、FOD、Hulu、J:COMオンデマンド、Netflix、Paravi、Rakuten TV、TELASA、TSUTAYA TV、U-NEXT、アニメ放題、スカパー!オンデマンド、ディズニープラス、バンダイチャンネル、ひかりTVビデオサービス)の視聴者数ptを横断して集計しています。
視聴者数pt:下記の実査日において過去1週間以内にそのタイトルを見た人の多さを示す
2021年10月のランキングは、『テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編』の放送・配信が始まった『鬼滅の刃』が1位を獲得しました。視聴者数ptは前月値から449ptも伸ばし733ptを集めています。『鬼滅の刃』がマンスリーランキングで1位を獲得したのは、2021年1月以来、9カ月ぶりです。視聴者の年代別割合をみると、20代から40代がボリュームゾーンですが、50代、60代にも広がっています。本作は、総視聴者数pt上位サービスのなかでも、Amazonプライム・ビデオ、U-NEXT、 dアニメストアで1位に入りました(「定額制動画配信サービス別 2021年10月TOP10」参照)。12月には『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』の放送・配信も始まるため、どこまで1位を維持するかに注目です。
2位は、世界的なヒットを記録しているNetflixオリジナルの韓国ドラマ『イカゲーム』がランクイン。9月17日(金)に配信が始まった本作の9月のランキングは43位でしたが、10月は大きくジャンプアップしました。視聴割合では、20代がボリュームゾーンで女性が多め。Netflix独占配信にもかかわらず、全体で2位に入るほど多くの視聴者数ptを集めているのは特筆すべき点です。
劇場公開作品と連動した動きで注目なのは5位にランクインした『007』シリーズです。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』がヒットするなか、定額制動画配信サービスにおいて、Amazonプライム・ビデオが同シリーズの独占配信を行っています。年代別の視聴割合では、本シリーズのファン層が多い50代、60代の割合が高くなっています。
各サービス、独占配信・オリジナルコンテンツ差別化
上記は月間視聴者数ptが多い上位7サービスを左から掲載した10月のサービス別月間ランキングTOP10です。『鬼滅の刃』をはじめとしたアニメ作品が多くのサービスで上位を占めていますが、定額制動画配信サービスでの「独占配信」「オリジナル作品」も多くランクインしています。
特徴的なのはディズニープラスです。今回に限らず、上位の作品はほぼすべて独占配信作品となっており、コンテンツによる差別化が最も顕著です。劇場公開時に追加料金を支払うことで視聴可能となる「プレミア アクセス」として提供されていた『ブラック・ウィドウ』も、10月6日(水)より定額料金のサービス内で視聴できるようになり、今回1位にランクインしました(9月ランキングでは『クルエラ』が1位でした)。
配信オリジナル作品としては、マーベル作品から『ホワット・イフ...?』や『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』、スター・ウォーズ作品から『マンダロリアン』などがランクインしています。10月27日(水)からはラインナップにスター作品が加わり、さらに多くの人気作の提供が始まりました。今後、視聴者数ptの合計はもちろん、上位作品の顔ぶれの変化にも注目です。
視聴者数ptが最も多い3サービスでも独占配信、オリジナル作品が多くTOP10に入っています。Amazonプライム・ビデオでは、バラエティ番組『ザ・マスクド・シンガー』、実写映画『シンデレラ』がランクイン。Netflixでは韓国ドラマが多く入っており、『イカゲーム』のほかに『海街チャチャチャ』『愛の不時着』『マイネーム:偽りと復讐』がTOP10入りしています。Huluでは『真犯人フラグ』『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』『有吉の壁』といった日本テレビ系列で放送されたドラマ・番組が上位にランクインしていますが、一方で『死神さん』『モモウメ』などのオリジナル作品も人気を集めています。
参考データ①
参考データ②
■定額制動画配信サービス コンテンツ別 調査概要
【調査方法】インターネットアンケート
【調査対象】日本在住の15~69歳の男女
【回答者数】各回 約7,000人
【数値重みづけ】総務省発表の人口統計を参考に回答者を性年代別に重みづけ
【集計方法】視聴したコンテンツについては自由回答方式で聴取。これをGEM Partners開発によるエンタメコンテンツ辞書を用いて名寄せ・集計を実施。コンテンツごとの視聴したシーズン数やエピソード数等は区別せず、一部でも観たと回答した人を視聴者としてカウント。また、劇場/テレビ版や海外/国内版も同一コンテンツとしてカウント(一部例外あり)。複数回観ても1カウントとしている。
※名寄せ辞書のアップデートに伴い、過去に遡って値が修正されることがあります