『鬼滅の刃』がトリプルスコアで1位、Netflixとディズニープラスの新作にも注目
Amazonプライム・ビデオやNetflixなどの定額制動画配信サービスにおいて、どんなコンテンツが視聴を集めているのでしょうか。弊社GEM Partnersが実施している19の定額制動画配信サービスを横断した週次の視聴者数調査の結果を2022年1月分としてまとめました。
全体ランキングTOP20:『鬼滅の刃』の圧倒的強さ続く。アニメが安定的に強いなか、劇場版公開に連動した上昇やNetflixの新作ドラマシリーズ『新聞記者』がTOP20入り
本ランキングは19の定額制動画配信サービス(ABEMAプレミアム、Amazonプライム・ビデオ、Apple TV+、dTV、dアニメストア、FOD、Hulu、J:COMオンデマンド、Netflix、Paravi、Rakuten TV、SPOOX、TELASA、TSUTAYA TV、U-NEXT、アニメ放題、ディズニープラス、バンダイチャンネル、ひかりTVビデオサービス)の視聴者数ptを横断して集計しています。
※視聴者数pt:下記の実査日において過去1週間以内にそのコンテンツを見た人の多さを示す
『鬼滅の刃』圧倒的な強さが続く
2022年1月の月間ランキング1位は『鬼滅の刃』が獲得しました。「無限列車編」の放送・配信が始まった10月以降、4カ月連続での首位獲得となります。1月の視聴者数ptは993ptと、2位に入った『進撃の巨人』の275ptの3倍以上となりました。サービス別ランキング(下部参照)をみても、上位7サービス中、ディズニープラスを除くすべてで1位を獲得。さらに、年代別・男女別ランキング(参考データ参照)においても、すべてのセグメントで1位に入っており、世代を問わず圧倒的な人気を博しています。
続く2位には前月11位から大幅ランクアップした『進撃の巨人』が入りました。最新シリーズ「The Final Season Part 2」の放送・配信が1月から始まり、視聴者を集めているとみられます。
劇場ヒット連動作品も上位にランクイン
劇場版の公開と連動した動きも多くありました。最も上位に入ったのは、先週末時点で劇場版の興行収入が100億円突破間近となっていた『呪術廻戦』で、3位に入りました。そのほか、1月に劇場版が公開された『コンフィデンスマンJP』が前月68位から8位に、同じく1月に劇場版が公開された『スパイダーマン』が前月57位から14位と、それぞれ大幅ランクアップしています。これらの作品は興行収入ランキングでも上位を維持しており、今後も配信で視聴者数ptを集めそうです。
Netflixオリジナル注目作『新聞記者』TOP20入り
最も大きな上昇幅でTOP20入りしたのは、前月2964位から19位にランクアップした『新聞記者』です。映画版に加え、Netflixオリジナルのドラマシリーズの配信が1月に始まりました。サービス別ランキングでもNetflixで4位を獲得しています。視聴者に占める割合をみると、男女別では女性、年代別では60代が高めとなっています。
アニメが全体的に安定した強さ
前月TOP10入りした作品はおおむね上位にランクインし(前月9位の『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のみ30位となりました)、安定した動きを見せました。また、TOP20のうち11作品がアニメシリーズとなっています。
そのほか、上昇幅が大きかったコンテンツをシリーズジャンル別にみると、日本映画では、1月からAmazonプライム・ビデオで実写版の見放題独占配信が始まった『約束のネバーランド』が78ランクアップして12位に入りました。日本アニメシリーズでは、『銀魂』が63ランク上昇して15位にランクイン。日本ドラマシリーズでは『孤独のグルメ』が前月15位から6位に上昇しました。『孤独のグルメ』の最新シーズンは昨年夏に終了し、現在BSテレ東で再放送しています。コンスタントに上位にランクインする本コンテンツ、サービス別ランキングではAmazonプライム・ビデオで5位に入ったほか、ランキング表には掲載していませんがParaviでも5位を獲得しました。
サービス別ランキングTOP10:『鬼滅』『呪術』『進撃』の全体TOP3アニメは多くのサービスで上位。Netflixとディズニープラスはオリジナル作品で訴求。アニメ上位独占のなか、dアニメストアは独自性を打ち出し
全体TOP3アニメは多くのサービスで上位にランクイン
2021年1月の調査結果を集計し、サービス別に視聴者数ptランキングを作成しました。サービス名は合計視聴者数ptが多い順に左から並べています。合計視聴者数ptの上位7サービスのうち、ディズニープラスを除くすべてで『鬼滅の刃』が1位に入りました。『進撃の巨人』『呪術廻戦』も多くのサービスで上位に入っており、これら3作品は全体ランキングのTOP3でもあります。
合計視聴者数ptで他サービスを圧倒するAmazonプライム・ビデオ
1月の視聴者数ptの合計が最も多かったのはAmazonプライム・ビデオでした。2位に入ったNetflixのダブルスコア以上を集めており、Amazonプライム・ビデオで見られれば全体でも上位にランクインします。例えば、Amazonプライム・ビデオで見放題独占配信中の『王様ランキング』は、Amazonプライム・ビデオで2位に入りましたが、全体ランキングでも4位にランクインしています。
オリジナル戦略が引き続き強いNetflix
Netflixのランキングでは、12月、1月から新たに配信を始めたオリジナル作品も複数上位入りました。実写映画『浅草キッド』(3位)、ドラマシリーズ『新聞記者』(4位)、そして韓国ドラマからは『その年、私たちは』(5位)、『静かなる海』(10位)の2作品がTOP10入りしました。
ジャンル幅を広げるディズニープラス
ディズニープラスもオリジナル作品や独占配信作品の新作が訴求力を高めています。1月から配信が始まったスター・ウォーズシリーズの新ドラマシリーズ『ボバ・フェット』が1位に入ったほか、マーベルシリーズの新作オリジナル『ホークアイ』が4位にランクインしています。また、新作映画として、ディズニー配給のマーベル映画『エターナルズ』が2位に、ディズニーアニメーション映画『ミラベルと魔法だらけの家』が3位にランクインしました。
ディズニープラスは10月に新たなブランド「スター」が加わるなど、ジャンルの幅を広げています。惜しくもTOP10入りは逃しましたが、韓国ドラマの『スノードロップ』が11位にランクインする健闘を見せています。今後も上位の人気作の顔ぶれに注目が集まりそうです。
dアニメストアほか特徴的なラインナップで訴求する各プラットフォーム
dアニメストアは全体ランキング上位の作品とともに、TOKYO MXほかで放送されているアニメが上位に上がってきています。これらはdアニメストアで先行配信、あるいは独占先行配信しているものが多く、例えば3位の『リアデイルの大地にて』は独占・地上波先行配信、5位の『ハコヅメ』のアニメ版はdアニメストアとAmazonプライム・ビデオで地上波先行配信を行っています。人気アニメは多くのサービスで見られるものが多いですが、dアニメストアはアニメファンに向けて訴求・差別化を図っていることがうかがえます。
そのほか、dTVも多くのサービスで見られる人気作が上位にある中で、『キスマイどきどきーん!』(6位)や『BTS』(8位)など、人気タレント番組がTOP10入りしています。また、U-NEXTは興行収入38.1億円を記録するスマッシュヒットとなった『花束みたいな恋をした』を独占配信しており、今回9位にランクイン。Huluはドラマ『真犯人フラグ』(2位)、バラエティ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(3位)など、日本テレビ系放送作品も多くランクインしています。
参考データ①
参考データ②
■定額制動画配信サービス コンテンツ別 調査概要
【調査方法】インターネットアンケート
【調査対象】日本在住の15~69歳の男女
【回答者数】各回 約7,000人
【数値重みづけ】総務省発表の人口統計を参考に回答者を性年代別に重みづけ
【集計方法】視聴したコンテンツについては自由回答方式で聴取。これをGEM Partners開発によるエンタメコンテンツ辞書を用いて名寄せ・集計を実施。コンテンツごとの視聴したシーズン数やエピソード数等は区別せず、一部でも観たと回答した人を視聴者としてカウント。また、劇場/テレビ版や海外/国内版も同一コンテンツとしてカウント(一部例外あり)。複数回観ても1カウントとしている。
※名寄せ辞書のアップデートに伴い、過去に遡って値が修正されることがあります