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間もなくゴング!WBC暫定フェザー級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 今夜、WBC暫定フェザー級王座決定戦のゴングが鳴る。元WBA/WBCスーパーバンタム級チャンピオンのブランドン・フィゲロアは、前日計量を125.75パウンドで一発クリア。しかし、前WBCフェザー級チャンピオン、マーク・マグサヨは初回で0.8パウンドのオーバー。2時間後の再計量で全裸になり、何とかリミットジャストの126パウンドでパスした。

 最終記者会見での両者のコメントをご紹介しよう。

Esther Lin/SHOWTIME
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 まずは、ブランドン・フィゲロア。

 「俺は勝利するために必要なすべての要素を備えている。誰もがご存知のように、戦うことを愛しているんだ。相手を圧倒し、崩し、葬ってやるさ。そのために、懸命に練習してきた。

 アウトボクシングでもインファイトでも、勝つために必要なことは何でもするよ。ボディショットが有効なら懐に入る。どんな方法でもヤツを倒すことができるだろう。

 この試合に俺がすべてを懸けていることは、分かっているだろう? フェザー級でも大きくアピールして、足跡を残さなければならない。そして、より多くのタイトルを獲得し、自分がベストであることを証明したい。

Esther Lin/SHOWTIME
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 素晴らしい試合になるだろうね。自分でも期待大だ。今の俺はパワーが増した。フェザーでも驚くほど強く、パワフルだぜ。

 ラスベガスでのトレーニングキャンプは最高だった。素晴らしいチームがいて、家族も応援してくれている。皆さんに、最高のショーを見せられるのが待ちきれないよ。マーク・マグサヨとは、打ち合うつもりだ。彼のことは尊敬しているが、倒す準備はできている。マグサヨも勝つためにこの地に来たんだ。これこそがボクシングだよ」

Esther Lin/SHOWTIME 0.8パウンド、オーバーしていたマグサヨ。場内にはざわめきが起こった
Esther Lin/SHOWTIME 0.8パウンド、オーバーしていたマグサヨ。場内にはざわめきが起こった

 マーク・マグサヨも言った。

 「(WBCフェザー級タイトルを失った)前回の試合とは違います。レイ・バルガスは逃げるのが好きでしたが、フィゲロアは打ち合いますよ。これは大きな違いであり、よりエキサイティングなファイトになる筈です。

 私たちはどちらも引かない。共に前進します。彼がスイッチすることは知っていますが、我がチームはそれに対して準備してきました。10月からハードなメニューをこなしました。

 ファンには、"これが本当のボクシングだ"というものをお見せしますよ。

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 どんな展開になろうとも、対処できます。私はこれまでに、多くの優れたファイターやビッグパンチャーと戦ってきましたからね。対応力があるんです。

 私は大口を叩きませんが、この試合ではノックダウンが見られるでしょう。今、とても興奮しています。世界タイトル戦に繫げる最良の機会です。前回の失敗から学んだことを生かしたいですね」

Esther Lin/SHOWTIME
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 126.8パウンドで秤に乗り、2時間後に全裸になってリミットいっぱいでパスしたマグサヨは、コンディション調整に失敗したのか? カードだけなら好ファイトとなりそうだったが……。

 23勝(18KO)1敗1分けのフィゲロアは、唯一黒星を喫した相手、ステファン・フルトンへの雪辱に燃えている。となると、将来、井上尚弥の対戦相手になるかもしれない。とにかく、見逃せない一戦だ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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