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残り試合を休んでも大谷のア・リーグ本塁打王は確実か。本塁打率で大谷を上回るあの打者は追いつけるのか

谷口輝世子スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 エンゼルスの大谷は、9月4日の打撃練習中に右わき腹の張りを訴えて、急きょ先発を外れた。右肘の靭帯を損傷しており、投手としては、今季は登板しないことは決まっているが、残りのレギュラーシーズンは打者としても出場しない可能性が出てきた。

 大谷はすでに今季44本のホームランを打っている。9月5日の試合開始前の時点で、ナ・リーグでは、ブレーブスのオルソンが44本、メッツのアロンソが41本、フィリーズのシュワバーが40本とすでに40本以上を打っている選手が3人いる。

 しかし、ア・リーグでは大谷の44本に次ぐ2位はホワイトソックスのロバートの35本、レンジャーズのガルシアが3位で34本と差がついている。米国時間の9月5日の試合も含めて、ホワイトソックスは残り24試合、レンジャーズは残り25試合だ。

 ア・リーグのこの3選手の本塁打率(打数÷本塁打数)を見てみよう。大谷の本塁打率は、11.3、ロバートは13.9、ガルシアは14.9である。また、打席数あたりの本塁打で計算した場合、ロバートとガルシアが残り試合で100打席に立つと仮定すると、2人が今季の残りで打つ本塁打は6-7本になる。記録サイトのファングラフスの予測では、ロバートが4-6本、ガルシアが5-6本となっている。

 実は、今季の本塁打率で大谷の11.3より良い数字の選手が1人だけいる。ヤンキースのジャッジだ。ジャッジは右足親指のケガで今季ここまで83試合しか出場していないが、本塁打率は9.4である。筆者はこのことを、8月29日付のザ・メッセンジャーに掲載されたニール・ペインさんの記事で知った。Shohei Ohtani vs. Aaron Judge: Who’s MLB’s Most Prodigious Power Hitter?

 ジャッジは9月5日までに31本塁打している。ヤンキースの残り試合は25。ジャッジは9.4打数ごとに1本、11.5打席ごとに1本の本塁打を打っているが、残り100打席に立つとしても、大谷には届かないだろう。ファングラフスの予測では今季の残りで打つ本塁打は7本となっている。

ジャッジは大谷をメジャートップの本塁打率で猛列に追い上げているが、ア・リーグの本塁打のタイトルは大谷が濃厚だ。

スポーツライター

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情をお伝えします。著書『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのかーー米国発スポーツペアレンティングのすすめ 』(生活書院)『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店) 連絡先kiyokotaniguchiアットマークhotmail.com

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