本当は怖い不安症と心配性の違いとは?漠然とした不安はもしかしたら…
こんにちは、精神科医しょうです。
突然理由もなく強い不安感に襲われたり、過剰な緊張や恐怖を感じることで生活に支障が出たりしていませんか?
「心配性なだけ」だと性格の問題として見過ごされがちですが、不安によって仕事や日常生活に影響が出ている場合、『不安症』が原因の可能性があります。
今回は不安症と心配性の違い、不安症の種類と症状、対処方法について紹介します。
不安症と心配性の違い
不安とは漠然と抱える恐れの感情のことで、成功するかどうかわからない状況において不安を感じたり、自分の将来などを考えて漠然とした不安が募るなど、誰にでも起こる感情の一つです。
育ってきた環境や性格的な問題で「心配しやすい」人もいますが、不安症の場合は強すぎる不安によって眠れなくなったり、行動に制限がかかってしまうなど、さまざまな場面において支障が出てしまう心の病気です。
不安によって仕事ができなくなる、人の視線が気になって電車に乗れなくなる、人前で過剰に緊張して手足が震えるなどというような症状が出ているのであれば、不安症の可能性があります。
不安症の種類と症状
・パニック症
パニック症とは突然理由もなく動悸やめまい、息苦しさに襲われ、死んでしまうのではないかというようなパニック発作が起こる病気です。
一度パニック発作を経験すると、また発作が起こるのではないかと不安になり、症状が起こりやすい場面や状況を避けるようになります。
下記でパニック症の主な症状を紹介します。
・自分をコントロールできないような感覚になる
・めまい、気が遠のくような感じがする
・発汗や動悸、震えが起こる
・自分が自分ではないような感覚、周囲が現実的ではないと感じる
・電車やエレベーター、人混みなどで恐怖や息苦しさを感じる
・突然気が狂ってしまうような感覚になる
・社会不安症
社会不安症は人前で行動したり、人と関わることに対して恐怖や不安を感じるという特徴を持っています。
人の視線が気になって動悸や赤面、震えが起きたり、大量に汗をかくなどの症状が現れます。
緊張によって人と関わることに苦痛を感じるようになり、人目を避けるために引きこもりがちになってしまうケースもあります。
下記で社会不安症の主な症状について紹介します。
・人の視線に緊張や恐怖を感じる
・人前で手足が震える
・人と話すときに声が震える
・人前で顔が赤くなったり汗をかいたりすることが怖い
・会食に恐怖を感じ、食欲がなくなる
・人に見られながら作業することに不安を感じる
・人の注目を浴びることが苦手
・会議で発言することに過剰に緊張してしまう
・全般性不安症
全般性不安症とは、生活していく中であらゆるものに対して絶えず不安を感じてしまう病気です。
健康や将来、経済面や人間関係、事故や災害など不安を感じる範囲が広く、その不安の感情が継続的に続きます。
下記で全般性不安症の主な症状について紹介します。
・さまざまな状況において不安を感じる
・不安になりすぎてはいけないと思っていても不安を抑えられない
・一つの問題が片付いてもまたすぐに別のことが気になり不安になってしまう
・気がつくと常に不安を感じている
・不安になると止まらない
・不安によって落ち着きがなくなり、注意力が散漫になる
・家計や将来、病気など広範囲に渡る不安がある
・強迫症
強迫症とは、強い不安や恐怖を解消するために何度も同じ行動や考えを繰り返してしまう病気です。
ドアの鍵を閉めたか何度も確認したり、自分なりの手順やルール通りに行動しなければならないと思い込んだりして、日常生活や人間関係に支障が出ることがあります。
下記で強迫症の主な症状について紹介します。
・何度も同じような考えが頭に浮かび、それについて悩んでしまう
・自分なりのルールがあり、その通りに行動しなければならないと感じる
・鍵を閉めたか何度も確認したり、火の元を確認しに家に戻ることがある
・こだわりやルールによって苦痛を感じているがやめられない
・強迫的な考えや行動によって生活や仕事、人間関係に影響が出ている
不安症の対処方法
病院やメンタルクリニックで相談する
「不安症かもしれない」と思ったときは、心療内科や精神科、メンタルクリニックに相談しましょう。
生活改善や不安症の対処法について書かれた本を読むなど、自分自身でできることもありますが、すぐに効果が得られるわけではありません。
「自分でどうにかしなきゃ」と焦ることによってストレスが溜まり、かえって症状が悪化してしまう可能性があるので、自分だけで判断せずに医師に相談しましょう。
早期に適切な治療を開始することで、社会生活への影響を最小限に抑えることが期待できます。
環境の見直しをする
不安症になった場合、心と体がSOSを出している状態なので、そのまま同じ生活を続けるのはよくありません。
自分にとって何が不安を誘発させる原因になっているのか一度考えてみましょう。
会社に相談して業務を減らしてもらったり、場合によっては休職することも考えた方が良いでしょう。
また、普段の生活においても栄養バランスの良い食事をする、適度な運動をする、睡眠をしっかり取るなど、正しい生活習慣を心がけることが不安を軽減する上でも大切です。
まとめ
今回は不安症と心配性の違い、症状の種類と特徴、対処法について紹介しました。
不安は誰でも感じる感情であり、悪いものではありません。
しかし、強すぎる不安によって社会生活や人間関係に支障が出ているときは、不安症を疑ってみた方が良いかもしれません。
不安症の症状が悪化するとうつ病を併発してしまう恐れがあるので、一度病院やメンタルクリニックに相談しましょう。
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