平昌冬季五輪、開会式の体感温度は氷点下10℃
いよいよ今日(9日)、冬季オリンピックが韓国平昌(ピョンチャン)で開幕します。過去2回の冬季五輪(ソチとバンクーバー)は、異例の暖かさのもとで行われましたが、今回の五輪は冬らしい寒さの中での開催となりそうです。ただ、当初騒がれていたほどには気温が下がらない日も多くありそうです。
平昌の冬の気候
雪上競技が行われる平昌の山岳部は、標高約700メートルに位置し、韓国の中でも最も寒い場所の一つとして知られています。その平均気温は最高・最低それぞれ-1℃、-11℃です。シベリアからの寒冷な強風が吹きこむため、寒風を利用したスケトウダラの干物「ファンテ」が名産です。
開会式の天気
今冬、韓国では例年より寒い日が続いています。寒波警報がたびたび発令され、平昌でも7日(水)朝には氷点下23℃まで気温が下がりました。
きょう午後8時から予定されている開会式の天気はどうでしょうか。
韓国気象庁によると、開会式開始時の天気は曇りで、気温は氷点下約4度の予想ということです。北を通過する低気圧の影響で西寄りの風が吹き込み、気温がやや上がります。ただ、風速は4メートルと予想されているので、体感気温は氷点下10℃くらいになりそうです。
過去最も寒かった冬季五輪といわれているのが、1994年のノルウェーのリレハンメルで行われた五輪ですが、その時の開会式の気温は氷点下約12℃でした。はらはらと雪が舞う中、雪だるまのように服を着込んだ観客の姿が印象に残っています。今日の開会式は、これほどの寒さにはならないようです。
寒さ対策
開会式が行われるスタジアムには屋根がないため、相当の寒さ対策が必要です。主催者側は会場にヒーターや風よけを用意し、また観客には無料でポンチョ、毛布、帽子、携帯カイロ、座布団の防寒6点セットを配るとのことです。さらに、観客が体を動かして温かくなれるよう、観客自身が立ち上がってパフォーマンスをする企画もあるとのことで、精一杯の工夫をしていることがうかがえます。
参加者側も自ら寒さ対策に取り組んでいます。中でもアメリカ代表団は、中にヒーターを仕込んだ上着を着て登場するようです。これは公式ユニフォームを提供しているラルフ・ローレン社のもので、驚くことに選手自身がスマートフォンのアプリで温度調節ができるのだといいます。機能的にもデザイン的にも優れていて、なかなか人気のようです。
余談ですが、これと対照的だったのが、2014年ロシア・ソチ冬季五輪のアメリカ選手団のユニフォームでした。同じくラルフ・ローレンのものでしたが、スポーツ選手らしからぬニットのカーディガンスタイルだったせいか、あまり受けが良くなかったようです。
この寒さの祭典では、どんなストーリーが生まれるのでしょうか。