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藤井聡太叡王(19)3連勝で防衛か? 出口若武六段(27)1勝返すか? 叡王戦五番勝負第3局始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 5月24日9時。千葉県柏市・柏の葉カンファレンスセンターにおいて第7期叡王戦五番勝負第3局▲藤井聡太叡王(19歳)-△出口若武六段(27歳)戦が始まりました。

 第2局は千日手指し直しの末に藤井叡王が勝ちました。

 現在のタイトル戦は「一局完結方式」が採用されているため、第2局・千日手指し直し局は関係なく、第3局は藤井叡王先手となります。

 本局の立会人を務めるのは地元柏市在住の石田和雄九段です。

 石田九段は将棋界最高齢のYouTuberでもあります。

 午前9時。

「それでは定刻になりましたので、藤井叡王の先番でお願いいたします」

 石田九段が声をかけて両対局者は「お願いします」一礼。持ち時間各4時間(チェスクロック方式)の対局が始まりました。

 藤井叡王はまずグラスに注がれた冷たいお茶を口にしたあと、初手、飛車先の歩を突きました。2手目、出口六段も同様。そして戦型はまたもや相掛かりとなりました。

 おそろしく高度に発達している現代調の相掛かり。藤井叡王の玉が6八→5八→6八という謎のステップを踏んで、解説の藤森哲也五段が早くも驚きの声をあげました。

「ムズすぎる。難しすぎてわかりません。ああ、出ちゃった。また遥かな世界に行っちゃいましたね。ダメですよ、見てる人はマネしちゃ。先手なんだから、先手の手得を活かして戦いましょう。これをこのあと僕が解説するんですか?」

 なんとも難しい序盤が続いて、形勢は互角のようです。

 藤井叡王は現在までタイトル戦の番勝負で12連勝中です。

 歴代1位は大山康晴15世名人の17連勝。2位は羽生善治現九段が七冠を達成する前後に記録した13連勝です。

 本局で藤井叡王が勝てば、羽生九段に並んで史上2位タイとなります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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