台風7号は過去最強レベルで関東や東海に襲来か?台風6号が過ぎても油断ならず
台風6号は九州に最も接近中
先週から1週間以上も沖縄や奄美地方をノロノロと動いた台風6号は、ようやく時速15キロで東シナ海を北上しており、現在、九州に最も接近している状況です。この台風の東側で活発な雨雲が筋のように流れ込んでおり、九州南部や四国を中心に猛烈な雨が解析されています。
台風6号はあす10日(木)明け方にかけて、九州の西を通過した後、朝鮮半島へ上陸する見込みです。引き続き、あす午前中にかけて、九州では線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがあるため、厳重な警戒が必要です。(気象庁発表の気象情報)
台風7号は過去最強レベルで関東や東海に襲来か
タイトル画像を見ると、台風7号の雲の円形度が増しており、勢力を強めてきていることがわかります。きょう9日(水)午後3時現在、まだ暴風域はありませんが、あす10日(木)には暴風域を伴い、あさって11日(金)には強い勢力となって、小笠原近海を通過する見込みです。
そしてその後の進路が大変気がかりです。現在日本近海で最も海水温の高い海域を北上しながら一段と発達し、予報円の真ん中を進むと、週明け14日(月)午後3時には、中心気圧950hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートルの強い勢力で、静岡県沖に達する見込みです。
この時点の予報円は関東から紀伊半島付近をすっぽりと包み込んでおり、70%程度の確率で、上陸が見込まれる予報円となっています。もし950hPa程度の強い勢力で関東に上陸するならば、過去最強の勢力といえ、また東海に上陸したとしても過去最強レベルといえる強さです。
今後も北側に広がる太平洋高気圧の勢力によっては東や西へブレる可能性はあるものの、現時点では、週明けに危険度の非常に高い台風が関東から東海を直撃するおそれが最も高くなっている状態です。
海水温の高い道を北上
日本近海の海水温に注目してみましょう。まず上段が平年との比較、下段が実際の海水温で、左側が7月26日、右側がきのう8月8日の状況です。
台風6号が沖縄や奄美を1週間以上もウロウロした影響で、東シナ海の海水温は大きく下がり、平年より低い青色となっていますが、その影響をほとんど受けなかった小笠原から関東沖にかけては平年より高く、ベルト状の赤色の道が出来ています。台風7号はちょうどこの海水温が30度近くある赤色の道を選ぶように北上し、最盛期の状態で関東や東海に接近してくる見込みです。
2019年台風15号に類似
今回の台風7号と類似のコースと勢力で関東にやってきた台風があります。それが4年前、2019年の台風15号です。この台風も強い勢力で小笠原の北を北西進し、強い勢力のまま関東を直撃しました。(令和元年房総半島台風)
比較的コンパクトな台風でありながら中心気圧は960hPa程度と、関東に上陸する台風としては過去最強クラスでの襲来となり、千葉で最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、特に関東南部で記録的な暴風が吹き荒れ、台風の東側に入った房総半島を中心に、暴風に伴う大きな災害が発生しました。(台風15号の気象庁による資料)
台風7号も今のところ、似たようなコース、似たような勢力での関東や東海への襲来が現実味を帯びてきています。今後も最新の台風情報に注意するとともに、早めの台風対策が必要となりそうです。