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「ダルビッシュ-スアレス-マルティネス」のNPB経験者3人がリレー登板は何度目!? パドレスが勝利

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロベルト・スアレス(サンディエゴ・パドレス)Oct 12, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスは、ディビジョン・シリーズを1勝1敗のタイに戻した。第1戦は3対5でロサンゼルス・ドジャースに敗れたが、第2戦は5対3で勝利を収めた。

 第2戦は、日本プロ野球(NPB)を経験している3人がつなぎ、最後の1.1イニングはジョシュ・ヘイダーが投げた。ヘイダーが登板するまでの7.2イニングの内訳は、ダルビッシュ有(2005~11年/北海道日本ハム・ファイターズ)が5.0イニング、ロベルト・スアレス(2016、18~19年/福岡ソフトバンク・ホークス、2020~21年/阪神タイガース)が2.0イニング、ニック・マルティネス(2018、20年/北海道日本ハム、2021年/福岡ソフトバンク)は0.2イニングだ。なお、各選手の年は、一軍の試合に出場したシーズンを記している。

 ダルビッシュは、ホームランを3本打たれたものの、いずれもソロだった。6回裏、無死一、三塁の場面でダルビッシュと交代したスアレスは、ジャスティン・ターナーを三振、ギャビン・ラックスを4-6-3の併殺打に仕留め、7回裏は1死一、三塁のピンチを招いたものの、このイニングもホームを踏ませなかった。マルティネスは、最初の2人を討ち取り、3人目にヒットを打たれたところでマウンドを降りた。

 ダルビッシュ-スアレス-マルティネスとつないだのは、8月27日と9月7日に続き、これが3度目だ。それぞれのスコアは、4対3と6対3。1度目はマルティネスが最後を締め、2度目は3度目と同じく、ヘイダーが最後に投げた。

 今シーズンのパドレスでは、他にもNPB経験者が投げている。ピアース・ジョンソン(2019年/阪神)とテイラー・スコット(2020年/広島東洋カープ)の2人がそうだ。先月中旬、スコットはウェーバー経由でフィラデルフィア・フィリーズへ移籍した――その後、メジャーリーグに昇格はしていない――が、ジョンソンはワイルドカード・シリーズに続き、ディビジョン・シリーズのロースターにも入っている。

 ダルビッシュ、スアレス、マルティネス、ジョンソン、スコットの5人が、全員揃って登板した試合はない。5人中4人も皆無。3人が同じ試合で登板は、ダルビッシュ-スアレス-マルティネスのリレー以外に6度ある。そのうち、3人のリレーは3度。8月12日は3~5番手がスアレス-スコット-マルティネス、9月25日は3~5番手がジョンソン-スアレス-マルティネス、10月1日は2~4番手がスアレス-ジョンソン-マルティネスだ。あとの3度、4月7日(開幕戦)と9月27日と30日は、3人連続ではなく、間にNPBを経験していない投手が投げている。

 パドレスにいる4人のNPB経験者は、ここからのポストシーズンにおいて、同じ試合で投げるかもしれない。間に他の投手を挟まず、4人によるリレー登板が実現する可能性も、皆無ではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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