保育園幼稚園から加配を勧められた「付けると自立しない?」加配にまつわる誤解を現役保育士が解説
現役保育士(幼保英検1級)です。
障がいがある子どもを担当するために、追加で幼稚園教諭や保育士を配置する制度が「加配制度」です。
通園中の保育園や幼稚園の方から加配を付けることを勧められたという方もいるでしょう。
勧められるとショックという気持ちは分かりますが、子どもに取ってはメリットが多いと考えます。
今回は、加配保育士をした経験がある保育士の立場から、加配に対する誤解について解説します。
加配を付けると自立しない?
「加配の先生を付けると、手取り足取りお世話することになるので、子どもが自立しないのでは?」
こんな不安を抱えているのでしたら、それは誤解です。
加配保育士(教諭)は子どもが自分でできることまで手助けをしたりしません。
他のお友達より時間がかかるなら、それを見守ります。
本当に手助けが必要な場面では、補助をしますよ。
他のお友達が2分でお着替えを終えるところを5分かかるのなら、5分寄り添って待ちます。
加配の先生がいないと、特定の1人にだけに合わせるということが難しいですから。
集団生活の場である保育園や幼稚園において、特定の子どもだけに寄り添うことができるのは、加配の先生がいるからこそです。
加配を付けるとお友達からいじめられる?
正直なところ、小学校や大人の世界と同様、保育園や幼稚園の中にもいじめの問題はあります。
年中や年長になると顕著です。
ただ、いじめの有無が加配の先生の有無と関連しているとは思い難いです。
加配の先生がいてもいなくても、子どもたちは何らかの不自由を抱えているお友達がいるということを十分理解した上で、共に生活をしています。
一方、加配の先生については、単に「自分のクラスには先生が2人いて、うち1人は特定のお友達を補助していることが多い」と認識しているだけです。
実際、筆者も加配担当として保育に入ると、「今日は、せんせーがキリン組に入るのー?」とだけ聞かれますよ。
まとめ
加配保育士をした経験がある保育士の立場から、加配に対する誤解について解説してきました。
保護者の方から加配保育士を付けようと申請しても付かないことがあるのも現状です。
そのような中、保育園の方から加配を勧められたのであれば、子どもが保育園で楽しく過ごすためにも前向きに検討してほしいと考えます。
一人ではお友達と一緒に運動会や発表会に出ることが難しくても、加配の先生が少し支援することで、お友達と一緒にかけっこ競技に出られる、発表会で自分の役を演じられるという経験を積めることを願っています。
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