水害時、夜のクルマの避難で誘われるように水没してしまう理由
豪雨災害時、歩けないような状況でも、クルマだと雨を避けられるので、避難が可能に思えてしまいがちです。
でも、夜は昼の危険をさらに上回り、誘い込まれるように水没した道につっこんでしまうことはご存知でしょうか?
(後出の YouTube の映像を筆者キ ャプチャ)
こちらの写真を見てください。西日本豪雨の際、水没しそうになった後、無事に脱出された方のドライブレコーダーの画像です。
ただのまっすぐな道に見えるかもしれません。でも、これは、すり鉢状に深くなっている道が冠水している道です。ヘッドランプで水面が照らされて光ると、深さが感じられずまっすぐな道のように見えてしまいます。それまで走ってきた道も路面が濡れているので、この道との違いがわかりにくいのです。夜はヘッドランプに照らされた道以外は見えず、昼には可能な、まわりの景色から、すり鉢状になっていると気付くという事もできません。深みにハマってから初めて、深かった事に気付く、そんな状況に簡単に陥ってしまいます。
こちらはいただいたドライブレコーダー映像を動画にしたものです。
みなさんは、どこが深いかわかりますか?私は、アウトドア好きなので、雨の山道も含めて全国各地の様々な道をクルマで走行していますが、それでもさきほどの画像の場面の深さは見分けられませんでした。深い場所に誘われるようにつっこむのも無理はないと思ったのですが、いかがでしょうか。
豪雨災害時、たとえ豪雨がおさまった時でも夜間のクルマでの避難は文字通りの落とし穴にハマる可能性があります。お勧めできません。外へ避難するかしないかは、天気予報を見て、昼間のうちに空振りでもいいから決断することが重要です。
冒頭のマンガは江戸川みんなの防災プロジェクト EMINBOが作成した早期避難のためのマンガです。HPから全ページをダウンロードしていただくことが可能です。
引用 国土交通省「いざというときのために緊急脱出ハンマーを備え付けましょう
マンガにも書かれた脱出ツールは、国土交通省も取り付けを推奨しています。
商品選びについては、独立行政法人 国民生活センター 自動車用緊急脱出ハンマーのガラス破砕性能 のテスト結果が参考になります。
もちろん脱出ツールを持っていたとしても、それで安心してしまうのではなく、危険な場所にいるなら昼間のうちに決断して安全な場所へ避難を心がけていただければと思います。夜の水没した道は、ヘッドランプで照らされると深さがわからず、誘われるように突っ込んでしまうことをどうか知っておいてください。