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初回KO勝ちしたWBAスーパーミドル級王者、次戦は統一戦か?

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 WBAスーパーミドル級チャンピオンのデビッド・モレル・ジュニア(9戦全勝8KO)が、オリンピック銅メダリストのファルカオ・ヤマグチ(24勝2KO1敗)を1ラウンドでノックアウトし、5度目の防衛に成功した。

 ブラジル代表としてロンドン五輪に出場し、ライトヘビー級で銅メダリストとなった挑戦者も、モレルもサウスポー。北米タイトル、WBCラティーノタイトルを獲得したキャリアを誇るヤマグチを王者が圧倒した。

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 25歳のキューバ人チャンピオンは、耐久力に定評のあるヤマグチを素早く仕留めた。ヤマグチはプロ転向後一度判定負けを喫したものの、2018年以来ダウン経験の無い頑丈さが売りだった。が、モレルは序盤にブラジル人挑戦者をぐらつかせると、右フックで最初のダウンを奪い、起き上がったヤマグチに右フック、左フック、左ストレート、ショートの右フックをぶち込んで、挑戦者を前のめりに沈め試合を終わらせた。

 ノックアウトタイムは、1ラウンド2分22秒であった。

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 勝者は言った。 

 「物凄く興奮している。1ラウンドでノックアウトなんて、信じられないよ。今夜は僕のキャリアの中で最高だ。大きなイベントだったし、相手もいいファイターだったからね」

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 そして、モレルは試合前と同様、WBC暫定スーパーミドル級王者、デビッド・ベナビデス戦への意欲を示した。

 「次はデビッド・ベナビデスだ。彼と戦いたい。168パウンドの他の選手は眼中にない。ベナビデスだけでいい。ベナビデスと彼のチームは尊敬しているが、リングの中では食うか食われるかだ」

 無敵同士の対決は、否応なく盛り上がるだろう。168パウンドはカネロ・アルバレスも絡み、トップファイターの激しいぶつかり合いが見られそうだ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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