最年少は22歳!ノルウェー国会議員の平均年齢は45.8歳
9月に国政選挙を終えたノルウェー。9日、国会には、今後4年間の国政を担う169名の国会議員が集まった。
この催しは、毎年の国会行事の中でも重要な一幕。王室御一家、国会議員、閣僚が集まり、今後の抱負などを述べる。
議員にとっては、国民の代表としての自覚と責任を再認識する重要な場ともなる。
162回目の国会の開会式となるこの日には、新人議員の姿もあった。
子連れで来ているゲストもいたため、国会には赤ん坊の泣き声が響く。妊娠中で、おなかが大きく膨らんだ女性議員もいた。
「若い人や女性議員がたくさん」と筆者がつぶやくと、「ここはノルウェーだからね!」と隣にいる現地の記者が誇らしげに微笑んだ。
最年少、22歳の国会議員
フレディ・ウヴステゴールさん(22)は、今国会で最年少議員として、現地メディアで話題を集めている。
開会式後、左派社会党(SV)の国会議員であるウヴステゴールさんにインタビューをした。
「SVの青年部に加入したのは14~15歳の頃。貧困・格差問題や気候変動などに興味があり、青年部の副リーダーとして、今年の選挙運動に参加しました。青年部には7~8年在籍したので、政治はそこで学びました」。
ウヴステゴールさんは、大学で政治学を4年間学んだ。それからは別の学科に入学し、思想史を学ぶ予定だった。
今回、国会議員となったため、思想史の学業は一度休憩し、機会があれば、いずれは大学院で政治学を学びたいと話す。
「選挙運動前は、まさか自分が議員になるとは思いもしていませんでした。その後の世論調査でSVが好調だったため、『もしや』という思いはありました」。
選挙運動中はまだ大学生だったが、なんとか学業とは両立できたという。
「国会で若者の声を代表する職業には、やりがいを感じる」と話す。
「ノルウェーの国会では、若者の声を反映する若い議員がもっと必要です。若者は国民の一部。民主主義のためにも、国会議員に若い人がいることは重要です」。
ノルウェー国会議員の平均年齢は45.8歳
ノルウェー国営放送局NRKによると、今国会の議員の平均年齢は45.8歳となっており、これまでで最も年齢層が若い国会となった。
30歳以下の議員はウヴステゴールさんを含めて、合計で19人。最も若い女性議員は24歳だ。
ベテラン議員として、30年以上も国会議員を務めたニーバック氏(労働党)は、議員として今選挙に出馬しなかった。同氏はNRKに対して、「今年の開会式に参加できないことは寂しいが、他の人が議員になれるように、誰かが退くことも必要」と答えた。
Photo&Text: Asaki Abumi