アリババ創業者ジャック・マー氏 東京大学客員教授に 中国でも速報される
中国のネット通販大手、アリババグループの創業者として知られるジャック・マー(馬雲)氏が5月1日、東京大学の研究組織である東京カレッジの客員教授に就任したことがわかった。
東京カレッジのホームページ上で発表された。任期は今年10月末まで。同ニュースは中国でも速報され、5月1日午後4時の時点で検索ランキングの上位にランクインするなど、中国でも大きな注目を集めている。
東京カレッジでの活動内容
同サイトによると、東京カレッジはマー氏に対し、主に以下の3点を期待すると発表した。
1、東京カレッジの重要な研究テーマについて助言や支援を行うこと。
2、とくに持続可能な農業と食料生産の分野で、東京大学の研究者と共同研究や事業を実施すること。
3、講演や講義を通じて、起業、企業経営、イノヴェーションなどについての氏の豊かな経験や先駆的な知見を東京大学学生や研究者と共有すること。
すでに再び東京に滞在中か
具体的な活動内容は不明だが、ある在日中国人からの情報によると、マー氏はすでに再び日本に滞在しているとの情報もある。
マー氏といえば、2022年、約半年間に渡って、日本(東京近郊)に滞在していたことがあった。
その間、孫正義氏が所有する箱根にある別荘や、関東近郊のスキー場、近畿大学の養殖関連の研究施設などに足を運んでいたことなどが報道されたが、それらの足取りがわかったのは、マー氏が日本を離れたあとだった。
その後、ヨーロッパでの目撃談もあったが、今年3月には中国に戻り、浙江省杭州にある私立学校「杭州雲谷学校」を訪問したことが報道された。マー氏は同校の校長らと面会し、教育問題やチャットGPTなどについて議論したといわれている。
いつか教職に戻りたい
今回、東京カレッジの客員教授への就任がどのような経緯で決まったのか、詳細はわからないが、マー氏は以前も東京大学で講演したことがあり、同大学とのつながりがあった。
また、マー氏は杭州師範学院(現・杭州師範大学)英語学科を卒業しているが、その後、別の大学で英語講師をつとめていたこともあり、「いつか教職に戻りたい」と発言したこともあった。今年4月には香港大学の名誉教授にも就任している。
マー氏は1999年にアリババを創業。同社を中国最大の企業へと成長させた。中国政府との軋轢が報道されて以降、その動向は一企業経営者の範ちゅうを超え、中国の国内外で高い注目を集めている。