「真央ちゃん」から「浅田選手」へ。現役続行会見で見えた、アスリートとしての覚悟。
約1年間競技を休養していた、フィギュアスケート・浅田真央選手が、都内で会見。現役続行を表明しました。
昨年自らの去就について、「ハーフハーフ」とコメントした彼女でしたが、「ソチオリンピックのシーズンが終わったあとはスケートを辞める気持ちが強かったが、時がたつにつれ自然と試合が恋しくなり、演技ができた達成感を感じたい、試合に出たいと思い始めた。3月にコーチのもとに相談に行き、今月から練習を始めた」と語ります。
となれば、気の早い周囲の期待は高まるばかりですが、「今の時点でオリンピックのことは考えておらず、去年の世界選手権のころのレベルまで戻すことを目標に突き進みたい」とのこと。しかし、今回彼女からの度重なる依頼を受けて、再び二人三脚をスタートすることになった佐藤コーチは、3年後の平昌五輪を視野に入れていることを明かしています。
今回の会見で印象づけられたのは、彼女の「アスリートとしてのすごみ・強さ」。
ブログでも「試合の時に最高の演技をした時の達成感や喜びの感覚が恋しくなり、試合に戻りたいと思うようになりました。」と語る彼女ですが、ひとくちに「試合の達成感」といっても、彼女のレベルであれば、それは常に大変なプレッシャーとセットになるもの。国民の目がすべて注がれる緊張感・重圧の中にふたたび身を置こうとするタフな精神力には、驚かされるばかりです。
思えばソチ五輪の際、ショートプログラムの滑りではプレッシャーに押しつぶされてミスをした「ように」見えた彼女。その後気持ちを切り替えて臨んだフリーの演技は、日本中・世界中を感動の涙に包みました。あれこそ浅田選手の最高の演技だと、観客は思ったはず。国民の間でも「よくやった」「おつかれさま」「感動をありがとう」という、「有終の美」ムードが流れたのは否めません。
ですが、それは私たちの勝手な早とちりだったのでしょう。当たり前のことですが、彼女は国民のアイドルであるだけでなく、世界選手権で3度の優勝を誇る伝説的なトップアスリート。彼女の愛くるしい容貌を理由に、見ている方が勝手に「プレッシャーから解放してあげよう」という、大きなお世話な気持ちになっていなかったでしょうか?
スケート面で言えば、ジャンプに尋常ではないこだわりを見せてきた彼女。会見では「ジャンプだけではない大人の滑りを見せたい」と今後の抱負を語り、佐藤コーチの目を細めさせています。
実際、今回の会見での彼女からは、毅然とした態度・決意が感じられました。風貌も心なしか大人びた様子。
ソチ五輪当時、23歳だった彼女に対して、各メディアにはついついそれまでの流れで「真央ちゃん」と呼びかけていたものです。確かにそのほうが、私たちもしっくりきていたわけです。みんなの真央ちゃん。真央ちゃんがんばって。
ですが、再スタートを切った彼女の落ち着いた雰囲気と固い決意は自然と「浅田選手」と呼ばせるオーラが漂っています。
真央ちゃん、改め、浅田選手の今後の滑りに、注目したいと思います。
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