山で初日の出を安全に、快適に楽しむ方法
2020年元日の初日の出、皆さんはどちらで迎えますか。海辺で迎えるもよし、山上で迎えるもよし。快適に安全に一生の思い出をつくるのに役立つポイントをお伝えします。
日の出は何時?という場合、太陽が顔を見せ始めるのが「太陽上辺」を指すのが一般的です。記事後半に主な地域の初日の出時刻とその方角を載せておきましたのでご参照ください。
実は夜明け前まだ星が瞬くころ東の空が青みを増したかと思うと茜のグラデーションが踊る空、「常用薄明(トワイライト)」がとても美しいのでおすすめです。一番冷えるといわれる夜明け前、初日の出を余裕で過ごしてください。
星が消え始める夜明け前への対策
1:登山用ヘッドランプは光量を弱くでき、赤色切替ができるものがオススメです。
最近は明るさ(ルーメン)の大きいものが簡単に手に入りますが、静寂の時間をサーチライトのように光線が飛び交うのは相応しくありません。写真撮る方も多いので配慮される方がトラブルになりにくいでしょう。
2:寒さ対策(ウェア):頭部、頸部、手首手先、足元を重点にダウンジャケットはフードが付いているものがよいでしょう。
じっとして夜明けを待っている間は筋肉を動かしていないので、体温が逃げていく一方です。皮膚を露出しないことは当然ですが、脈を測る部位は特に手厚く保温します。皮下脂肪が薄く温かい動脈血が表面を通っている頸部と手首がその部位にあたります。
体温を無駄に逃がさない。覚えておきたい冬を快適にするポイント
3:寒さ対策(食べ物と飲み物):体温維持のための栄養と温かい飲み物で身体内部から温めるようにします。
寒い環境では足踏みしたり、震えを発生させて筋肉から熱を発生させます。これを筋肉による産熱といいます。そのエネルギーとして直ぐに食べられるよう、ポケットに糖質の多い羊羹やチョコレートを入れておきましょう。魔法瓶には甘くて温かいココアなどを入れておくのもよいでしょう。
4:カメラの使い方を再確認。自分のカメラの機能(シャッタースピード・ISO感度・露出補正の調整)を理解しておきましょう。
ポケットに入る大きさのカメラやスマホなら防寒対策は特にいらないかと思いますが、綺麗なトワイライトタイムは光が乏しくシャッタースピードも遅くなり画質は粗くなります。三脚利用で寒空に置いておくと電池の消耗は早まります。十分充電しておくのはもちろん、予備電池があると安心です。
太陽が顔を出す初日の出の瞬間、強烈な光がカメラに飛び込んできます。カメラの通常オートだけでなく、シーン別モードやマニュアル設定で意図的にプラスやマイナスに補正するなど、様々なパターンで撮影してみることをおすすめします。世界に二つとない記念の一枚になること間違いなしです。
5:山間地ポイントへのアプローチ、路面凍結に注意が必要です。
山間地の凍結したり圧雪したりした登山道や林道ではチェーンアイゼンがあると安心です。登りよりも下りでのスリップに要注意です。靴底全面をしっかりと地面に押し付け、歩幅は狭く、足を蹴り出さないようにします。これはどのような登山道であっても通用する安定して歩く基本となります。
寒冷地に出かけた時、登山道や道路面を良く観察してください。積雪が踏み固められ白く見える部分では靴底をしっかりと押し付けることでスリップを予防することは可能です。しかし、雪が一旦融け再び凍結すると透明度がある積雪に変化します。この様なところはスケートリンクのようによく滑るので要注意です。
雪は標高の高さだけでなく、陽射しの影響で変化します。当然スリップし易さの程度も様々に変化します。そのような場所に出かける場合は滑り止めの器具を装着する方が安心です。もちろん雪の山岳エリアに行く場合は専門の装備を準備しなくてはいけないのは言うまでもありません。
参考までに夜明け前の常用薄明(トワイライトタイム)、時刻と方角は次のようです。
札幌 6時34分 116度
岩手県盛岡 6時26分 115度
東京 6時22分 114度
長野県諏訪 6時29分 114度
兵庫県神戸 6時38分 114度
広島 6時49分 114度、
高知県室戸岬 6時39分 114度
福岡 6時55分 114度
沖縄 6時51分 113度
長野県諏訪、日の出は6時58分ですが、2000メートルくらいの山稜からなら6時48分と10分程早くなります。
シャッターチャンスを見逃さず、素敵な令和二年をお迎えください。