本当は”怖い”HSPが『微笑みうつ病』を自覚しにくい理由とは!?
こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)
微笑うつ病はうつ病の中でも自覚しにくいものなのですが、HSP気質の人がかかると特に自覚しにくい不安要素があります。
HSP気質の人が微笑うつ病に気づきにくい理由は、無理に笑顔を作るという行為が原因です。
今回は微笑うつ病とHSP気質の人に根深い「笑顔」の問題について、自覚のしにくさに関わる点など解説していきます。
普通のうつとは違う微笑うつ病の症状
微笑みうつ病の症状は普通のうつ病とは大きく違うので、心の病にかかっていることに本人も周りも気付けないのです。
従来型のタイプだと表情や態度が気落ちしているように見えるのですが、微笑み型のタイプだと表情も態度も暗い様子は見えず一見明るく元気に見えます。
落ち込んでいても笑える
症状の特徴として病名に「微笑」の言葉が入るように、たとえ深く落ち込んでいたとしても 笑うことができます。
満面の笑顔を浮かべて元気良く家族に挨拶したり、友達とさも面白そうに笑っておしゃべりしたりします。
従来型のタイプはつらい気持ちに引っ張られて笑顔を作ることができず、以前と比べて明るい表情がめっきりと減るのが特徴です。
微笑み型のタイプは何があっても心の状態に表情が左右されず、沈んだ表情を見せることがありません。
人と普通の状態で関われる
微笑うつ病は人と関わる際には精神的に落ち着いている普通の状態でいるので、本人も相手も心の健康に問題を抱えているとは思いません。
従来型のタイプは情緒不安定になることが多く、相手と関わるときの態度に激しい喜怒哀楽が出ることがあり本人も相手も違和感を持ちやすいです。
微笑み型のタイプは心のどこかに燻るものがあっても、精神状態を乱れさせて人と接する際におかしな様子を見せたりすることはないのです。
急に泣き出したりハイになったりする様子が目立てば、自分自身でも「変だ」と思うし周りも心配して精神状態を不安視するでしょう。
心は病にかかっていても笑えて態度も普通なこの病気は、心の異変の兆候を表に出さないので厄介なのです。
笑顔は感情のセーブが原因
心を病んでいるのに笑顔で普通の姿を装うのは悲鳴を上げる自分の感情を認められず、感情を故意にセーブしてしまっていることが原因です。
目に見て分かる症状が出る従来型のタイプは助けを求める自分の感情を無意識に認め、邪魔せずに感情の動きを表に出しているのかもしれません。
微笑うつ病になる人はHSP気質の人に多い真面目で責任感の強いタイプで、自分の心が病気であるという事実を簡単に認められないのです。
うつに対する世間の意見の中には「甘え」や「考えすぎ」があるため、本人の意識の中に心の病への良くないイメージを抱いている場合もあるのでしょう。
心の悲鳴に耳を傾けず笑顔で隠してしまう理由は、自分自身で心の異変を受け入れられないためがあります。
HSPの人に微笑うつ病の自覚が特に難しい理由
微笑うつ病は普通の人でも自覚が難しいものですが、HSP気質の人だと特に自覚は難しいのは普段の様子が関係しています。
微笑み型のタイプが浮かべる笑顔は偽りの笑顔、HSP気質の人も処世術で偽りの笑顔を使う場合が多いので分かりにくいのです。
愛想笑いが標準装備になっている
HSP気質の人はいつも温和で穏やかな笑みを見せることが多いですが、どんな相手に対しても不快感を与えないために愛想笑いを標準装備にしている傾向があります。
繊細な気質の人は他人にとても気を遣う性格なので、人と接する際には相手の心情に当たり障りがないように愛想笑いを浮かべられるのです。
微笑うつ病の笑顔も他人に気を遣う気持ちからもあるため、HSPの愛想笑いの目的と酷似しているので判断がしにくいといえます。
落ち込み慣れで心の動きに鈍感
微笑うつ病は落ち込む心をごまかすためにも笑いますが、HSP気質の人は日常で落ち込み慣れしているので愛想笑いが自分の心をごまかすためなのかが分類しにくいです。
感覚が鋭いために他人の態度に傷つき過敏なことで自己嫌悪したりと、ストレスで慢性的に落ち込むことが繊細な気質の特徴になります。
心に負担があるのはいつものことなので心の動きに鈍く、うつ病になっていて落ち込んでいるのか分かりにくいのです。
いま浮かべている偽りの笑顔が処世術の愛想笑いなのか、うつ病で落ち込んだ気持ちをごまかすためなのか簡単に見分けがつきません。
HSPの人は微笑うつ病の可能性も考えてみよう
HSPの人は自分の愛想笑いや落ち込みが微笑うつ病の症状ということもあるので、「自分が過敏だから」とスルーせずに病気の可能性も考えてみましょう。
笑っているときの心はどうなっているか、よく確かめてみてください。
愛想笑いするときの心をチェック
他人の前に立って愛想笑いをしているときに自分が疲れていないか、一人になったときに偽りの笑顔を浮かべる自分が虚しくないか心をチェックしてみましょう。
微笑うつ病の人は明るく見せるために笑顔を見せていても、そんな自分に精神的疲れや虚しさを感じています。
自分の状態をチェックしてみて疲れや虚しさなどがあれば、心がうつ状態になっているのかもしれません。
普通を装う「つらさ」はうつの合図
微笑うつ病の人は表面的には普通を装うとしても心の奥がそれについていけず、自分が何も問題がないように見せることに「つらさ」も感じています。
自分は楽しくないのにみんなが楽しそうにはしゃいでいるので愛想笑いをして、楽しくないのに笑う自分の行為に「つらさ」を感じたら心の合図と見ましょう。
本当の心は元気がないのに普通を装うことは負担であり、つらいと思うのはうつになった心が限界に来ている危険性が高いからです。
微笑うつ病の改善にもう無理に笑わない
自分が浮かべる偽りの笑顔や心に感じる落ち込みがHSPの影響ではなく、微笑うつ病による影響であったら自覚と改善のために無理に笑うことをやめましょう。
笑顔で繕わず心の状態を表に出す
病気を自覚して改善するには自分の心に素直になり、心に元気がないのなら状態を表に出すようにします。
心の状態をそのまま自分の表情や態度に出すことができると、いつもの自分と違う様子が分かり心の病気の可能性を自覚しやすいです。
笑顔で繕っていた自分の心を隠すことをやめると周囲にも異変が分かり、親しい人であれば指摘の他にも相談に応じてくれるのでアドバイスなどももらえます。
自分や周りを通して病気の自覚が持てると改善するための行動を起こす気になるので、心療内科などの治療にも前向きになれます。
愛想笑いをしなくなったことで周りの反応が変わらないか心配でしょうが、本当に楽しいと思うときに自然に笑うようにした方が意外と反応が良いです。
愛想笑いも故意に表情を作った不自然なものなので、自然に出る笑顔を見せる方が相手も心を開いてくれていると感じて良い印象を持ちます。
自分に笑みを強いるのもストレス
心は本当はうつ状態でつらいのに自分に笑みを強いるのは大きなストレスであり、自分自身に悪い影響が出るので良くありません。
集中力が落ちたり過食拒食の症状が出てしまったり、喜怒哀楽の感情が曖昧になるなど心や体に困った症状が出やすいです。
病気にかかっている自分の心をさらに追い詰めないためにも、無理して笑い自分にストレスを与えることを避けましょう。
まとめ
HSP気質の人は愛想笑い・慢性的な気持ちの落ち込みが多いので、微笑うつ病にかかっていても自覚がしにくいのです。
無理をして笑うことに疲れ・つらさを感じたら、笑顔で病気を隠す微笑うつ病を疑ってみてください。
もしうつ病であれば無理に笑顔を作ることをやめる、それが自覚と改善への第一歩です。
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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