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台風14号の急進と猛暑の関係とは?3連休は熱帯擾乱と秋雨前線の動向に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風14号は自動車並みの速度で沖縄へ

台風14号の予報円(ウェザーマップ)
台風14号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

大型の台風14号は、速度を上げ、時速45キロの自動車並みの速度で北西へ進んでいます。今後はさらにスピードアップし、時速50キロで北西へ進み、あす18日(水)夕方頃には、もう沖縄本島に最も接近する見通しです。偏西風に乗るわけでもない台風が時速50キロで進むのは、かなりまれな現象だと言えるでしょう。

台風14号は、暴風域を伴うほどには発達しない予想ですが、沖縄地方では、高波に警戒し、強風、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水、落雷や激しい突風、高潮などに、十分な注意が必要です。なお沖縄を通過したあと、20日(金)までには中国大陸へ上陸し、熱帯低気圧に変わる見込みです。

あまりにも強い太平洋高気圧の縁辺流

太平洋高気圧と台風14号の模式図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
太平洋高気圧と台風14号の模式図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

台風14号がなぜ日本の南を自動車並みの速度で急進するのかというと、それは本州付近に、あまりにも強い、季節外れの太平洋高気圧が居座っているためです。上図をみると、本州付近には赤色の5940メートルの領域が出現していますが、これは真夏の盛夏期でもあまり出現しないような9月後半としては、まさに異常な太平洋高気圧の強さだと言っても過言ではありません。

そして太平洋高気圧の南側では西寄りの縁辺流が吹いていますが、今回はこの太平洋高気圧に伴う縁辺流がかなり強いために、台風14号は自動車並みの速度に加速して、西進するものと思われます。

なおこの強い太平洋高気圧に覆われているため、きょう17日(火)も異常な残暑が続いていて、福岡県朝倉で37.8度、佐賀で37.2度などを観測し、福岡県太宰府でも36.8度まで上がり、きょうでことしの猛暑日日数は59日目となりました。日本の歴代記録を大幅に更新中です。

3連休は新たな熱帯擾乱と秋雨前線の動向に注意

天気図と降水量の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
天気図と降水量の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

今週末には再び3連休が控えていますが、引き続き、熱帯擾乱(ねったいじょうらん)と秋雨前線の動向が定まっておらず、これらの状況次第では、広範囲での大雨や荒天などが予想されます。

上図は最新の予想ですが、あさって19日(木)午前9時には、台風14号が中国大陸間近の所に達し、その後、中国大陸へ上陸し、消滅する予想です。一方、フィリピンの東海上からまとまった降水域が北上し、21日(土)にかけて、新たな熱帯擾乱として、沖縄付近に北上する予想です。

この新たな熱帯擾乱の予想は、不確実性が大きく、熱帯擾乱が発生しない予想もあれば、台風とみられるような勢力に強まる予想もあるなど、ばらつきがかなり大きな状態です。ただ熱帯擾乱が発生しないまでも、周辺の湿った空気が秋雨前線を刺激して活発化することを予想する計算はかなり多く、今後の動向に要注意です。

3連休は異常残暑が収まり、大雨や荒天も

天気と予想最高気温(ウェザーマップ)
天気と予想最高気温(ウェザーマップ)

太平洋高気圧の異常に強い状態は、あさって19日(木)あるいは20日(金)頃まで続き、西日本を中心に、季節外れの猛暑日となる所もあるでしょう。その後はようやく太平洋高気圧の勢力が弱まり、本州付近に秋雨前線が南下してくるため、21日(土)から22日(日)頃を中心に、広く雨となる予想です。熱帯擾乱と秋雨前線の兼ね合いに十分ご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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