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昨年に続き、イグレシアスは今年も同じ選手の「穴埋め」をする!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・イグレシアス(左)とマニュエル・マーゴ Sep 8, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月10日、ボストン・レッドソックスは、前日にトレバー・ストーリーが右肘の内側側副靭帯の手術を受けたことを発表した。少なくとも開幕から1ヵ月は出遅れ、オールスター・ブレイクの近くまで離脱する可能性もありそうだ。

 二塁手か遊撃手として、ストーリーは開幕を迎える予定だった。2021年までコロラド・ロッキーズで遊撃を守った後、昨年はレッドソックスで二塁手としてプレーしたが、ストーリーと併殺デュオを組んでいたザンダー・ボガーツは、今オフにFAとなってサンディエゴ・パドレスと契約を交わした。

 現時点のメンバーからすると、キーケー・ヘルナンデスがセンターから遊撃へ回り、センターはジャレン・デュラン、二塁はクリスチャン・アローヨが守ると思われる。ただ、3人のうち、出場90試合以上のシーズンがあるのはキーケーだけだ。

 デュランは、まだブレイクしていない。メジャーリーグ2年目の昨年は、58試合で出塁率.283とOPS.645に終わった。アローヨは、87試合で出塁率.322とOPS.736。昨年の出場試合は、6シーズンのなかで最も多かった。

 ストーリーが戻ってくるまでの穴埋めとして、レッドソックスが誰かを手に入れようとしても不思議ではない。

 FAのホゼ・イグレシアスは、その候補の一人だろう。あるいは、筆頭候補かもしれない。

 2009年のプロ入りから、2013年の夏にトレードで放出されるまで、イグレシアスはレッドソックスにいた。旧知というだけでは筆頭候補の理由にならないが、2021年の夏にロサンゼルス・エンジェルスから解雇された後、イグレシアスは8年ぶりにレッドソックスへ戻り――レッドソックスでは新型コロナウイルスの感染者が続出していた――23試合で出塁率.406とOPS.915を記録している。9月に入ってから入団したため、イグレシアスにはポストシーズンの出場資格がなかったが、レッドソックスがワイルドカードを得るのに貢献した。

 なお、昨年、イグレシアスはロッキーズで遊撃を守った。ここから、レッドソックスに入団すると、今年もまた、ストーリーがいなくなって空いた穴を埋めることになる。

 イグレシアスとしても、レッドソックスから契約の申し出があれば、受け入れるのではないだろうか。まだFAのままでいるのは、レギュラーとして迎え入れようとする球団がないからだろう。

 ストーリーの復帰後も、出場機会が少なくなるとは限らない。例えば、ストーリーが遊撃、キーケーがセンターの場合、イグレシアスがそれまでに結果を残していれば、二塁を守るのはアローヨではなく、イグレシアスということもあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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