別称ゾンビのサイクロン「オーウェン」豪州に上陸へ
オーストラリア北部の湾で発達を続けるサイクロン・オーウェン。一度低気圧になるも再びサイクロンになったことから「ゾンビ」なるあだ名も付けられています。オーウェンは珍しい進路をたどり、14日(金)にクイーンズランド州に上陸するもようです。
ゾンビ・サイクロン
12日朝のオーウェンの中心気圧は986hPa、最大風速(1分平均)は25メートルでカテゴリー2の勢力となっています。オーストラリア北部のカーペンタリア湾を11キロのスピードで西進しています。湾の表面水温は30℃ちかくもあり、13日(木)にはカテゴリー3へと発達する見込みです。
オーウェンが別称「ゾンビ」と呼ばれる理由は、今月2日にオーストラリア東部の海上でサイクロンになったものの、4日に低気圧となり、11日に再発達をした、しぶといサイクロンだからです。
ブーメラン・サイクロン
特徴的なのは復活サイクロンであることだけではありません。その進路もまた非常に珍しいのです。現在西に移動していますが、12日(水)夜頃から180度向きを変え、東進する予想となっています。その動きはまさにブーメンランのようです。
オーウェンは、もと来た道を戻るような形で14日(金)にクイーンズランド州北西部に上陸する見込みです。さらにその後、海岸線を沿うように南東方向に進む可能性があります。
オーストラリアの気象会社Weatherzoneによると、このようにカーペンタリア湾から進んできてクイーンズランド州北西部に上陸し、その後南東へと進んだサイクロンは1970年以降2例(1971年・フィオーナと2013年・オズワルド)しかないそうです。
<<オーストラリアのサイクロン・知識>>
オーストラリアのサイクロンシーズンは11月から4月で、特に3月が最も多くなっています。年間上陸数は3.7個で、そのうちカテゴリー3以上のサイクロンの上陸数は1.3個です。
今春の激しい天候
今春オーストラリア東部は度重なる激しい気象現象に見舞われています。
11月にはケアンズで42.6℃を記録するなど、クイーンズランド州諸所で観測史上最高気温を更新したほか、熱波と乾燥により100カ所以上で山火事が起きました。
一方シドニー周辺では大規模な砂嵐が発生したほか、28日には都市で月間降水量に匹敵する量の雨が4時間のうちに降り、大洪水が発生しました。13日(木)にも再び、暴風雨が予想されています。
先ほど2018年の今年の漢字に「災」が選ばれましたが、赤道を挟んだオーストラリアでも、熱波や大雨などにより災害の年となっているのです。