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ソン・フンミンは英国で2週間隔離?韓国代表が新型コロナの影響で欧州組を招集できない可能性とそのワケ

金明昱スポーツライター
右腕を骨折し韓国で手術したソン・フンミン。英国に戻ったあとは2週間の隔離か(写真:ロイター/アフロ)

 新型コロナウイルスの影響で世界各国のスポーツ大会やイベントの延期や中止が相次いでいる。

 2月19日に韓国の水原ワールドカップ競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の水原三星ブルーウィングス対ヴィッセル神戸の試合に取材に行ったときは、観戦者すべての人たちに徹底した新型コロナ対策が行われていた。

参照:韓国開催のACLでイニエスタ人気よりも衝撃だった“新型コロナ対策”はどんなものだったか

 そこで現地記者に聞かされた話の中で、驚いたのが「韓国代表の欧州組がもしかするとワールドカップ(W杯)予選に出場できないかもしれない。理由はこれから韓国への渡航制限をする国が増えるだろうから」という話だった。

 その時は「まさかそんな事態にまでならないだろう」と思っていたのだが、現実の話になろうしている。

 韓国代表は3月26日にホームでトルクメニスタン代表、31日にはスリランカ代表と戦うことになっている。

 現状では延期や中止の話は出ていないが、現状では無観客試合が妥当なところだろう。

 一般紙「朝鮮日報」によれば「海外組の招集も慎重にならざるを得ない。韓国に来た選手が、所属チームに復帰するのが難しくなるかもしれないからだ」と伝えている。

 最近、韓国で急増している感染者によって、韓国発の人たちを入国制限する国が増え続けているからだ。

 そのため、海外組の選手へ多大な影響を及ぼすと考えられている。

 トットナムのFWソン・フンミンはどうか。ソンは2月18日に右腕の骨折で、韓国に帰国して手術をした。6~8週間チームを離れることになっているが、そもそもW杯アジア予選に出場することすら難しい状況だ。

 ソンが仮に英国に戻れば2週間は自宅で隔離された状態で過ごさないといけないという。

 それでもケガの回復を考えた場合は、休養にあてられると前向きにとらえていいかもしれない。

 そのほかの選手では、元ガンバ大阪のFWファン・ウィジョ(ボルドー)やザルツブルクで南野拓実(リヴァプール)の同僚だったFWファン・ヒチャンも難しい状況に直面している。

 仮に韓国ホームの試合に出場したあと、所属チームに戻り、彼らの処遇がどのようになるのかは不透明な部分がある。

 つまり、W杯アジア予選で韓国代表はベストの布陣を組めない可能性が出てきており、パウロ・ベント監督は頭を悩ませている。

 もっとも、これは日本代表や中国代表も似たような状況になる可能性はある。

 日本開催のW杯アジア予選に欧州組を呼び寄せたあと、所属チームに戻る選手がどのような対応になるのかはなんとなく想像できる。

 選手個人としては、所属チームで検査や隔離などされたくないはずで、しかしW杯予選は国の威信をかけた戦いである。

 そう簡単に代表を辞退するわけにもいかないので、悩ましい選択を迫られそうだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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