自衛隊が極超音速巡航ミサイル用スクラムジェットエンジンを研究開発
8月31日に防衛省から防衛予算の平成31年度概算要求が発表されましたが、新たに極超音速巡航ミサイル用のスクラムジェットエンジンを研究開発する予算が要求されている事が分かりました。島嶼防衛用高速滑空弾も大型化すれば極超音速滑空ミサイルに発展することが可能であることに加えて、極超音速巡航ミサイルも開発することで、実質的に自衛隊は極超音速兵器を2種類とも研究開発することになりそうです。 関連記事:極超音速兵器とは何か
要求項目で「ジェット燃料により稼動するスクラムジェットエンジン」とあり、エンジン冷却に有利な低温の水素燃料ではなく、常温で使える一般的な航空機用のジェット燃料の使用が要求されています。イメージ絵から再生冷却システムを持つことが分かりますが、再生冷却とは燃料を用いてエンジンを冷やす構造で、ジェット燃料再生冷却スクラムジェットエンジンとなると技術的にかなり高いものが要求されています。
自衛隊で計画しているスクラムジェットエンジンと関係があるかどうかは分からないのですが、2012年の三菱重工の特許に「燃料供給システム、スクラムジェットエンジン及びその動作方法」というものがあり、これはジェット燃料をエンジンの熱で改質しメタンを生成、超音速燃焼が容易なメタンを燃やして飛ぶという方式で、燃料の改質とエンジン冷却を同時に行っています。