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王座挑戦権を獲得するのは豊島将之九段(32)か? 大橋貴洸六段(29)か? 7月25日、挑戦者決定戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月25日。大阪・関西将棋会館において第70期王座戦・挑戦者決定戦、豊島将之九段(32歳)-大橋貴洸六段(29歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。

 本局の勝者は永瀬拓矢王座(29歳)への挑戦権を獲得します。

 豊島九段は今期本戦で近藤誠也七段、丸山忠久九段、木村一基九段に勝って挑決まで進みました。

 タイトル戦常連の豊島九段。王座戦では2014年に羽生善治王座(当時)に挑戦し、2勝3敗で惜しくも退けられています。

 一方の大橋六段は今期二次予選で北浜健介八段、山崎隆之八段に勝って本戦進出。1回戦では藤井聡太竜王に勝ちました。

 さらには千田翔太七段、石井健太郎六段を破る快進撃。全棋戦を通じて初の挑決進出を決めました。あともう1勝で、初のタイトル挑戦です。

 豊島九段と大橋六段は過去に2018年NHK杯2回戦(▲大橋四段-△豊島王位・棋聖)で一度対戦。角換わり腰掛銀から大熱戦となり、最後は172手で豊島勝ちでした。

 昨年おこなわれた第4回ABEMAトーナメント。チームリーダーだった豊島現九段がドラフトで大橋六段を指名しています。

豊島「(指名の理由は)大橋さんは将棋も強いですし、パッと目をひく存在というか。注目されるべき存在ということで。前回(第3回)選ばれなかったのがすごく不思議で、出てくるべき人材というか、選ばれるべき人だなと思ったので」

 豊島九段はそれだけ高く大橋六段の実力を評価しているというわけです。

 大橋六段といえば、そのファッションセンスでも注目されています。挑決ではどのようなスタイルで臨むのでしょうか。

 現在、王位戦七番勝負で藤井王位に挑戦中の豊島九段。今年度成績は7勝4敗(勝率0.636)です。

 一方の大橋六段は11勝2敗(勝率0.846)。竜王戦本戦では伊藤匠五段に負けて敗退となりましたが、依然、大変好調といってよさそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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