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バムガーナーがDFA。まだ33歳ながら、凋落は予想どおり!? 今年は5年8500万ドルの4年目

宇根夏樹ベースボール・ライター
マディソン・バムガーナー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)Apr 19,2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月20日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、マディソン・バムガーナーをDFAとした。40人ロースターから外した。

 ここからは、ウェーバー公示を経て、解雇となるだろう。ウェーバー公示中に、獲得を申し出る球団があるとは思えない。その場合は、3000万ドル以上が残る契約の支払いを、ダイヤモンドバックスから引き継ぐことになる。

 2019年のシーズン終了後、サンフランシスコ・ジャイアンツからFAとなったバムガーナーは、5年8500万ドル(2020~24年)の契約でダイヤモンドバックスに迎えられた。

 その後の防御率は、短縮シーズンの2020年が6.48(41.2イニング)、2021年が4.67(146.1イニング)、2022年は4.88(158.2イニング)。今シーズンの4登板は、10.26(16.2イニング)だ。

 ジャイアンツ時代の防御率は、2018年までが3.40未満、2019年は3.90だった。これだけなら、2019年の防御率の上昇は、一時的なものと見ることもできよう。ただ、その数年前から、FIPは悪化していた。2011~16年の6シーズンは、2012年の3.50が最も高く、他の5シーズンは3.25未満。それに対し、2017~19年のFIPは、3.95、3.99、3.90だ。

 とはいえ、ダイヤモンドバックスに入団した時の年齢は30歳。現時点でも33歳だ。これほどの凋落は予想を超えている。

 今のところ、復活が期待できるような要素は見つからないが、バムガーナーがダイヤモンドバックスを退団した後、契約を交わす球団はあるはずだ。その球団は、定められた下限の年俸を支払うだけで済む。

 例えば、オークランド・アスレティックスなら、バムガーナーにローテーションの一員として投げるチャンスを与えても、おかしくない気がする。アスレティックスで先発2登板以上の5人中、最も防御率が低いのは、4.60のJP・シアーズだ。あとの4人の防御率は、いずれも7.20を超えている。

 一方、テキサス・レンジャーズのブルース・ボウチー監督は、バムガーナーのジャイアンツ時代を通し、ジャイアンツで采配を振っていた。だが、アスレティックスと違い、レンジャーズはポストシーズン進出をめざしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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