ナニをしてるの? 高校生のケータイライフ
一番はソーシャルメディア
携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方)の魅力は、インターネットを使って多彩なサービスが利用できる点にある。ゲームやウェブの閲覧、ソーシャルメディア、音楽や動画の視聴、そして買い物…一昔前ならば「持ち運び可能な魔法の板」にすら見えたであろう、携帯電話を用いて、好奇心に満ちあふれる高校生は日々どれほどの時間を費やし、何に没頭しているのだろうか。情報通信政策研究所が2014年5月に発表した「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」の結果を基に実状を確認する。
次に示すグラフは一日あたりの携帯電話を使った各インターネットサービスの利用時間。利用者そのものが少なければ、その人たちの時間はゼロなので、平均時間も少なくなりやすい。
携帯でもっとも長時間利用されているのは「ソーシャルメディアの視聴」。今調査の「ソーシャルメディア」にはLINEなどのチャットシステムも含まれていることに注意。次いで多いのは「ソーシャルメディアの書込み」、そして「動画投稿サイトの視聴」。三大利用サービスは以上で、要はソーシャルメディアの利用と動画の視聴。そして「ソーシャルメディアの無料通話」「オンラインゲーム」がその後についている。無料通話の時間が長い=よく使われている事実は、やや意外さを覚えるかもしれない。
男女別では、女性はソーシャルメディアへの傾注が大きく、その他サービスの利用が短い。一方で男性は「オンラインゲーム」の利用が長い。男性はゲーム、女性はソーシャルメディア、そして男女とも動画投稿サイトの視聴。他の類似調査結果にも表れている傾向が、利用時間の平均値として表れている。
学年別に見ると「ニューサイト視聴」「ブログ視聴」は高学年の方が長時間だが、それ以外は低学年の方が長い。高学年になると勉学への注力が必要なので遊びへの時間が減る、そしてスマートフォン利用率は低学年ほど高いため、このような結果が出ることになる。実際、次に示す通り、スマートフォン利用者は非利用者と比べ、平均利用時間が何倍も長い。
スマホで伸びるケータイライフタイム
スマートフォンの利用・非利用別の各サービス平均利用時間を見ると、スマートフォンが高校生のケータイライフにいかに大きな影響を与えているかが分かる。
圧倒的にスマートフォン利用者の方が各サービスの平均利用時間は長い。ブログやニュースサイトの視聴のような従来型携帯電話でもそれほど苦労せずに出来るものは大きな差はないが(それでも3倍前後)、マルチメディア性の高いもの、大画面の方が使いやすいものとなると5倍6倍は当たり前で、中には10倍近い差を示しているのもあるほど。中には当然、従来型携帯電話では事実上使えないサービスも少なくない。見方を変えれば、スマートフォンの普及が、高校生における各メディアサービスの利用を大きく促進させたと考えることができる。
これらの利用時間はあくまでも平均値。利用していない人も合わせた結果なので、利用している人に限れば、平均時間はさらに長いものとなる。スマートフォン利用の高校生は1日1時間をソーシャルメディア視聴に、40分近くを書込みに使い、30分ほどを動画投稿サイトの視聴に充てている。高校生(に限らずだが)のプライベートにおけるライフスタイルが、スマートフォンが普及しつつあるこの数年で、大きく変化しているのは間違いあるまい。
■関連記事: