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35歳。誰かを愛したい私ですが、周囲に引かれてしまう「裏の顔」があります~おみおじリポート(67)~

大宮冬洋フリーライター
婚活中なのにアピールが下手な男性。恰幅のいい体型にも理由があります。(本人提供)

「能ある鷹は爪を隠す」だけでは「つかみどころのない人」で終わってしまいます

※2021年5月9日追記。水野さんはオネット外で気になる女性ができたとのことです。彼の良縁を祈りつつ退会とします。水野さん、グッドラック!

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

「能ある鷹は爪を隠す」が日本人的な美徳ですが、見知らぬ他人と出会って1時間ほどお見合いをしたら先に進めるか否かが決まってしまうのが婚活です。嫌味がない程度に自分をアピールしておかなければ、「つかみどころがない人」で終わってしまいます。我がオネットに応募してきた水野良英さん(仮名、35歳)は悪い例。彼の応募メールを抜粋します。

<1年前に勤めていた会社を辞めて、現在はフリーで組織開発コンサルとコーチングの活動をしています。現状は収入面が盤石とは言い難いですが、先が見えない世の中だからこそ、今この瞬間を大事に、そして目の前の人が本来の自己を取り戻し、後押しする存在であり続けています。>

 理想主義的な「いい人」であることはなんとなくわかりますが、「それで生活をしていけるの?」という疑念を抱いてしまいます。また、趣味などもまったく書いていません。これでは相手の女性も、お世話をする僕たちも不安になってしまいます。

 水野さん、フリーランサーは勤務先の看板に頼れませんよ。だからこそ、自らの仕事や生活について具体的かつ前向きに語らねばならないのです。

テレワーク事業で6社をサポート。「あなたに出会えてよかった」と言ってもらえた

 いきなり説教じみたアドバイスから始めてしまいましたが、Zoomで面談して質問をしていくと水野さんは実務能力も実績もある人なのだと判明。大学を卒業してから11年間は鉄道関係のメーカーで営業や生産管理の仕事をして、2019年に独立してからはコンサルタントとして東京都のテレワーク推進事業に関わっているそうです。オネット応募の際に自分で書けばいいのに……。

「中小企業のテレワーク導入をサポートしましたが、通り一遍の仕事では意味がありません。テレワークの結果としてどんなことを実現したいのか、どのような会社になりたいのかをまずは明確に共有しています」

 いいですね。具体的な仕事内容を紹介しながらの「理想論」だとカッコよく響きます。水野さんもコツをつかんだようで、どんどん語ってくれました。

「今のところ6社ほどをサポートしました。昨年末、そのうち1社から『あなたに出会えてよかった』と言っていただいたんです。予想していなかった有難い言葉に心が揺れる感覚がありました」

水野さん作の「うどんカルボナーラ」。フィットチーネの代わりに稲庭風うどんを使っているそうです。(本人提供)
水野さん作の「うどんカルボナーラ」。フィットチーネの代わりに稲庭風うどんを使っているそうです。(本人提供)

埼玉県内で一人暮らし。テノール歌手としてプロデビュー済!

 埼玉県で一人暮らしをしている水野さん。実家も同じく埼玉県内にあるそうです。料理を中心に家事もできるのでこのまま1人でもやっているけれど、「それでは人生に限界がある」と感じ始めたとのこと。

「誰かを深く愛したいし、そういう人と一緒に暮らすことで発揮できる自分の可能性もあると思います。私自身、音楽などにこだわりが強い部分があるので、お互いの1人時間を尊重できる関係でありたいです。そのうえで相手と向き合い続ける自信もあります」

 音楽? そういえば、水野さんの趣味は何なのでしょうか。質問すると、なぜかちょっと小声で答える水野さん。

「趣味というか副業なのですが、テノール歌手をしています。プロデビューしたのは2019年です。そのときまだサラリーマンだったのですが、ギャラをいただくステージに立ちました。コロナ禍の2020年はステージがなかったので、基礎を見直して歌の技術を磨く時期だと思っています」

 な、なんと! そういえば水野さんはやたらにいい声をしています。クマさん的な風貌にも納得です。昨年、ドキュメンタリー映画『パバロッティ 太陽のテノール』を観て感激した僕はすっかり興奮してしまいました。

お見合いの対象年齢を40代前半の女性までに広げられますか?

 水野さん、どうしてこんな重大な売りポイントを隠しているのですか?

「オペラをやっていると話すと周囲に引かれてしまうことがあったからです。サラリーマン時代に地方で暮らしていたときは特に距離を感じました」

 なるほど。好きなことを否定されたりすると話しにくくなってしまいますよね。ここまで水野さんと僕のやり取りを聞いていたマチコ先生が口を開きました。

「安心してください。オネットには自分の世界を持っている女性が多くて、相手の男性にも何かに熱中していることを求める傾向があります。テノール歌手が副業なんて、ものすごい売りです!」

 そのうえでマチコ先生は「お見合いの対象を40代前半の女性までに広げられますか?」と提案。オネットにはアラフォーの美しいキャリア女性が少なくないからです。

「その年代になると仕事にも余裕ができるので、独立したばかりの水野さんと補い合えるかもしれません」

 水野さんは「自分の存在そのものを認めて応援してくれる人であれば」年齢にこだわらず結婚に向けて進みたいと言ってくれました。もちろん、自分も相手を全力で応援するそうです。

 マチコ先生と僕の頭の中にはすでに3人ぐらい候補の女性がいます。無事に結婚したら、結婚式では歌声を披露してくださいね!

ステージで熱唱中の水野さん。「プロデビューした今でも月2回は個人レッスンを受けています。2018年にはイタリアに1週間ほど滞在して本場のレッスンも受けました」(本人提供)
ステージで熱唱中の水野さん。「プロデビューした今でも月2回は個人レッスンを受けています。2018年にはイタリアに1週間ほど滞在して本場のレッスンも受けました」(本人提供)

※文中のオネット会員は仮名です。水野さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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大宮冬洋が自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる、お見合いおじさん活動「オネット」(大宮ネットワーク)の舞台裏をご紹介。オネット会員の匿名のプロフィールやお見合いの様子、成婚&退会者インタビューのほか、チームメンバーの婚活講師マチコ先生による婚活必勝アドバイスもお届けします。また、本連載の購読者は無料オプションとして、会員とのお見合いを希望することもできます。

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