30代までは「自宅内でのネットアクセスはスマホが一番」な時代
家の中ではパソコン一番、スマホに従来型携帯
パソコンにタブレット型端末にスマートフォンに家庭用ゲーム機。インターネットへの窓口が多様化する昨今において、どの端末が一番良く使われている、つまりメインのインターネットへの窓口扱いをされているのだろうか。総務省の「通信利用動向調査」からその実態を探る。
まずインターネットそのものの普及率だが、同調査では2013年末の値として82.8%との結果が出ている。
それではまず、そのインターネット利用者において「家庭内」に限定し、どの端末をもっとも良くインターネットへのアクセスツールとして使っているか、択一で答えてもらったのが次のグラフ。自宅のパソコン(PC)が最多回答で、全体では5割近く。次いでスマートフォンが31.7%という形となった。
複数のアクセス可能な機器を所有していても、双方が過不足なく使える状況下なら、より便利な機器を使うのが普通。ノート、あるいはデスクトップいずれにしても、パソコンを使う人がもっとも多いのは理解が出来る。
また、歳を重ねるに連れて「パソコン増加」「従来型携帯電話増加」「スマートフォン減少」との動きがある。これはシニア層ほど、画像の大小や操作のしやすさから、所有しているのならばパソコンの利用を優先し、モバイル系端末に限ってもスマートフォンを嫌い、従来型携帯電話を好む傾向があるからに他ならない。スマホ・従来型の転換点は40代から50代。それ以前はスマホ、それ以降は従来型携帯電話が有利。
子供向けのアクセス端末としては保護者の下でのパソコンの利用に続き、ゲーム機やタブレット端末でのアクセスが主となる。特に幼少児へのタブレット型端末の普及ぶりは目覚ましく、前年2012年の8.6%のほぼ2倍の値を示している。
また13歳以降のスマートフォンの使われ方も要注目。今グラフは家庭外では無く家庭内での利用実態だが、それでもなおパソコンよりスマートフォンの方がインターネット利用端末としては主流との結果が出ている。40代に入るとさすがにパソコンが上回るが、10代後半から30代までは「自宅内でのネットアクセスはスマホが一番」との時代が到来している。
家庭外では40代も「スマホ一番」世代に参加
機動性が重要視される家庭外でのインターネット端末事情は大きく様変わりする。
全体で1/4は「自宅外の」パソコン。学校の機材や会社の端末、図書館などの公共施設における利用などがもっとも多いということになる。幼少時は学校の端末を用い、就職して歳を経るごとに会社でのパソコン利用時間が長くなり、回答者も増えていく。
気になる動きをいくつか挙げていく。まずは13歳以降40代までは「スマートフォンが一番」となっている。学業に従事している、あるいは就業事例も含まれる世代だが、それでもスマートフォンが一番多い。特に10代後半から30代までは回答者の半数以上が「家庭外でインターネットへアクセスする場合、スマートフォン経由がもっとも多い」と答えている。そもそも論としてスマホそのものが大いに浸透普及しているのも一因だが、若年層では特にプライベート感の強いスマホが重要視されていることが確認できる。
さらに「従来型携帯電話」と「スマートフォン」を合わせて「携帯電話」として見直すと、13歳以降全世代において「家庭外ではパソコンよりも携帯電話の方が、ネットアクセス端末として良く使っている」ことになる。主にスマホによる底上げが原因で、携帯電話の「モバイル情報端末」としての利用実態を考えれば当然の結果ではあるものの、感慨深い結果ではある。
その他に注目すべき点は「幼少児のタブレット端末と家庭用ゲーム機(「その他の機器」はほぼこれに該当)の利用度合いの高さ」。成人以降は「タブレット型端末がネット機器としては最多利用」な状況になることは考えにくいが、管理のしやすさを考えると、幼少児ならば将来的にパソコンすら追い越し、もっとも良く使われる機器となるかもしれない。
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