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【広島市】猿猴橋は過去と現在が交錯する場所

なおゆきWebライター(広島市)

みなさんこんにちはWeb ライターのなおゆきです。みなさんは広島駅南口から歩いてすぐにある猿猴橋に歴史と復興の物語があるのはご存知ですか?今回は猿猴橋についてご紹介します。

猿猴橋

広島駅南口からほんの少しの距離に位置する猿猴橋。かつては江戸時代の名にふさわしく、「広島一の橋」として脚光を浴びていました。この橋の魅力は、その名前の由来にもあります。当時近くに猿が生息していたり、猿猴(河童)が生息していたとの言い伝えから命名されたと言われています。とても興味深いストーリーですね。

実際に橋を渡っていると、目を引くものがありました。それは、橋の高欄にはめ込まれたデザインパネルで、2匹の猿が桃を持ち合っている様子が描かれていました。このようなデザインが採用されているのは、由来に関連しているからなのかなと思いました。

高欄には橋名の由来ともなっている,2匹の猿が桃を持ちあう透彫り風のデザインパネルがはめ込まれている
高欄には橋名の由来ともなっている,2匹の猿が桃を持ちあう透彫り風のデザインパネルがはめ込まれている

さらに、この橋は被爆を経験した橋でもあります。広島に原爆が投下された際、橋は爆心地からたった2キロの位置にありながら、欄干が一部損傷した程度で済んだと言われています。その耐久力には驚きを隠せません。

猿猴橋から見える風景
猿猴橋から見える風景

ところが、1956年には近くに駅前大橋が開通し、猿猴橋は主要道路の役割を譲ることになりました。往時の様子を再現するため、地元の住民たちが「猿猴橋復元の会」を立ち上げ、平成20年7月から寄付活動を行いました。彼らは広島市に対し橋の復元を働きかけ、広島市もそれに応え、橋の復元プロジェクトを進めていくこととなりました。

そして2014年には広島市が行った被爆70周年記念事業の一環として、猿猴橋は大正時代の姿に復元されることが決定。2016年には現在の美しい姿に蘇りました。

普段何気なく渡っている猿猴橋に歴史があることに驚きました
普段何気なく渡っている猿猴橋に歴史があることに驚きました

復元されたのは、橋の四隅に配置された親柱に描かれた地球儀をつかむ大鷹の像や、先ほどご紹介した欄干に設置された2匹の猿の装飾などです。これらの飾りも再び橋に取り付けられ、その景観はかつての姿を再現されているそう。

タカは「吉祥(きっしょう)」といって、繁栄や縁起が良いことを意味します。そのため猿猴橋は別名「縁起橋」と呼ばれることがあります。
タカは「吉祥(きっしょう)」といって、繁栄や縁起が良いことを意味します。そのため猿猴橋は別名「縁起橋」と呼ばれることがあります。

まとめ

猿猴橋は広島を代表する歴史的な観光名所となり、多くの人々が訪れています。ここへ訪れれば、美しい橋の風景を眺めるだけでなく、その背後にある物語性にも触れることができます。今回の記事を読んで猿猴橋が気になった人はぜひ訪れてみてくださいね。

猿猴橋
住所:広島県広島市南区猿猴橋町

Webライター(広島市)

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