夕暮れの東京シティビューで落涙。#楳図かずお大美術展 レポート
「東京シティビュー」は、天空から都心のお花見ができる別天地。眼下に広がる青山霊園や代々木公園、新宿御苑の桜模様を神目線で一望できます。渋谷・青山界隈の桜はまだ咲きかけですが、3月末から4月にかけて見ごろを迎えるので楽しみです。特に黄昏時はロマンティック。渋谷の高層ビル群の向こうに沈みゆく夕陽を拝めます。
東京シティビューで3/25まで開催していた「楳図かずお大美術展」も滑り込みで観てきました。当方は小学時代から筋金入りの楳図ファンなのですが、結論からいうと、東京シティビューほどふさわしい会場はなかったのではないかと。それほど心揺さぶられる展示でした。
特に震えたのが、アートユニットエキソニモによる『わたしは真悟』のインスタレーション。
'80年代にサブカル業界を震撼させた『わたしは真悟』は、子ども時代の終焉と、究極のプラトニックラブを描いた楳図かずおの傑作。
夥しいケーブルの中には、まりんの赤いランドセルが…!!
ランドセルからかすかに聞こえてくるのは、ゴダイゴとか 小泉今日子とか 昭和末期 1980年代 のノスタルジックなヒットソングの数々…(うわーん 涙)
楳図ワールドがリアルなけしきと融け合った奇跡のインスタレーションでした。
楳図かずお大美術展は残念ながら終わってしまいましたが、遠方の方や見逃した方に会場スナップをお届けしますね。
楳図作品の貴重なアーカイブは、個人的にはマンガ世界遺産だなあと。
1980年代に描かれた傑作『わたしは真悟』の続編にして 27年ぶりの新作でもある『ZOKU-SHINGO』のアクリル画連作は、残念ながら写真撮影不可だったので掲載できません…が、90代目前の楳図かずおのあまりにみずみずしく愛おしい新作を見て、思わず落涙しました。
これは唯一撮影可だったZOKU-SHINGOのワンシーン。
最後は1990年代に描かれた『14歳』関連の展示でした。
東京シティビューの窓辺に楳図かずお直筆のネーム原稿や下絵が貼られており、その向こうにリアルな東京の夕景が見えました。
会場で販売されていたオリジナルグッズの数々も、さすがのセンス。こちらは楳図の傑作を大胆にあしらったスケートボード。
楳図マンガ貌のマスキングテープも。ミュージアムグッズとして定番化してほしいですね。
楳図かずお大美術展は終わってしまいましたが、この空間に恐ろしくマッチしていました。企画したキュレーターさんに感謝!
東京シティビューからは都心のけしきを360度堪能できるので 天空からのお花見もぜひ。
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東京シティビュー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー2F
屋内展望台 10:00~22:00(最終入館 21:30)
URL:https://tcv.roppongihills.com/jp/
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