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9月24日最終日「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」薔薇がなくちゃ生きていけない【東京都渋谷区】

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

原宿のGYRE GALLERYで開催中の「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」が
9月24日(火)に閉幕します。未見の方は、どうぞお見逃しなく。

GYREの吹き抜けエスカレーターに下がった展覧会の垂れ幕がクール。
GYREの吹き抜けエスカレーターに下がった展覧会の垂れ幕がクール。

ヨーゼフ・ボイス(1921〜1986)は、戦後ドイツアート界のレジェンド。
1984年ボイス来日時のアート界の熱狂を知る人なら「なぜ 今 ボイス? 」と思われるかもしれませんし、ボイスをアート本や映像でしか知らない世代なら、「これが あのボイスか」と思われるのかもしれません。

GYRE GALLERY
GYRE GALLERY

「人間は誰でも芸術家である」と唱え、既存の芸術枠にとらわれないインスタレーションやパフォーマンス、政治・社会活動を展開したボイス。

「我々が革命だ」1971年
「我々が革命だ」1971年

今展は ボイスがそうした作品と活動を通して全ての人間に投げかけた問いに対し、時を超えて呼応した6人の現代アーティストたちの作品で構成されています。

左はヨーゼフ・ボイス「カプリバッテリー」1985年/中央はボイスの来日時に彼を撮影した畠山直哉の写真「ボイス・イン・トーキョー」1984年/右は磯谷博史「花と蜜、透過する履歴」2018年
左はヨーゼフ・ボイス「カプリバッテリー」1985年/中央はボイスの来日時に彼を撮影した畠山直哉の写真「ボイス・イン・トーキョー」1984年/右は磯谷博史「花と蜜、透過する履歴」2018年

ボイスは、亡くなる1年前に療養先のカプリ島で、南イタリアを象徴するような明るい色彩の「レモン電池」を大量に作ったといいます。

このレモン電池を見て、ボイスを癒した南イタリアの陽光が、自分の胸にもぽっと灯るのを感じました。

これは「バラ無しには我々はそれをなしえない」というボイスの言葉が書かれた有名なポスター。余談ですが、ムーンライダーズの名曲「Kのトランク」のサビに、“バラがなくちゃ生きていけない”という一節があります。作詞をした佐藤奈々子さんは、ボイスのポスターにインスパイアされたとのちに語っています。
バラの意味するところは、ひとぞれぞれ解釈が異なるでしょう。あなたにとってのバラとは?―ボイスはそんな問いかけをしているのかもしれません。

ヨーゼフ・ボイス「バラ無しには我々はそれをなしえない」1972年
ヨーゼフ・ボイス「バラ無しには我々はそれをなしえない」1972年

今展で展示されているボイスの作品は、カスヤの森現代美術館の所蔵品です。標本や遺物を収めたヴィトリーヌ(ガラスケース)シリーズは、ボイスのアクションなどで使用されたものが展示されていますが、これらはアウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館に展示された遺品を彷彿させるものでもあります。

畠山直哉、若江漢字、磯谷博史、加茂昴、AKI INOMATA、武田萌花の6名の作家たちが、ボイスから何を受け継いだのか――その答えをじわじわと実感する非常に興味深い展示になっています。

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ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展
会期 2024年7月17日~ 9月24日(火)
開館 11:00~20:00 無休 無料
会場 GYRE GALLERY
   東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/josephbeuys-dialogue/
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writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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